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 舞台果て奈落の暗さ虫の鳴く  片岡我當
 
   「俳諧歳時記」に、
   単に虫といひて、秋に鳴くいろいろの虫の総称とす。「虫籠」松虫・鈴虫・等を飼ふに用ふる籠にして、竹を削りて精巧に造れるもの、古くは虫屋といへり。「虫売」初秋の頃街々に荷を下ろし、鳴虫をひさぐ。昔より今もかはらぬ優しき都会の夜景なり。虫の種類は、鈴虫・松虫・轡虫・朝鈴など。「虫合せ」は虫の鳴き合せにて、声のよしあしを合せて遊ぶをいふ。「虫聞き」は虫の鳴声を慕ひて、夕方より郊外野山に出向くもの、昔は相当広く行はれたる風流韻事なり。浮世絵などに、この虫聞きの図数多あり。また「虫選び」は、古、殿上人の嵯峨野などの京都郊外に逍遥して鳴く虫を採り、籠に入れて宮中に奉りしをいふ。
  とある。
   「源氏物語」横笛の巻に、「露しげき葎の宿にいにしへの 秋にかはらぬ虫の声かな」とみえる。秋の淋しさの演出の一つである。また「山の井」に、「虫ふく嵐の山のべのけしき、とぼしありく行燈のかげに、小倉の里もたどたどしからぬ有様、また、させもが露を命にすだく心ばへ、暮れ行く秋を惜しみなきする野辺の哀れさ」とみえ、情感に通う季題でもある。

   さて、黙阿弥に「島鵆月白波」(明治十四初)がある。散切物の白浪狂言であるが、その三幕目の望月輝と弁天お照の色模様に、清元の名曲「雁金」をあしらう。
   雁金を 結びし幮も昨日今日 残る暑さを忘れてし 肌につめたき風立ちて 昼も音を鳴く蟋蟀に 哀れを添える秋の末・・・・・
   曲中に、ちりばめられた虫の音が、たっぷりと秋の情趣を添えている。ちなみに、望月輝は九世市川団十郎、弁天お照は八世岩井半四郎の配役であった。
  
    観音の明かりを外れ虫を売る  大堀柊花

  虫(むし)島鵆月白浪(しまちどりつきのしらなみ)望月輝(もちづきあきら)
  幮(かや)蟋蟀(こおろぎ)葎(むぐら) 
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