俳句
カレンダー
06 | 2025/07 | 08 |
S | M | T | W | T | F | S |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | ||
6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 | 12 |
13 | 14 | 15 | 16 | 17 | 18 | 19 |
20 | 21 | 22 | 23 | 24 | 25 | 26 |
27 | 28 | 29 | 30 | 31 |
フリーエリア
最新TB
プロフィール
HN:
No Name Ninja
性別:
非公開
ブログ内検索
×
[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。
舞台果て奈落の暗さ虫の鳴く 片岡我當
「俳諧歳時記」に、
単に虫といひて、秋に鳴くいろいろの虫の総称とす。「虫籠」松虫・鈴虫・等を飼ふに用ふる籠にして、竹を削りて精巧に造れるもの、古くは虫屋といへり。「虫売」初秋の頃街々に荷を下ろし、鳴虫をひさぐ。昔より今もかはらぬ優しき都会の夜景なり。虫の種類は、鈴虫・松虫・轡虫・朝鈴など。「虫合せ」は虫の鳴き合せにて、声のよしあしを合せて遊ぶをいふ。「虫聞き」は虫の鳴声を慕ひて、夕方より郊外野山に出向くもの、昔は相当広く行はれたる風流韻事なり。浮世絵などに、この虫聞きの図数多あり。また「虫選び」は、古、殿上人の嵯峨野などの京都郊外に逍遥して鳴く虫を採り、籠に入れて宮中に奉りしをいふ。
とある。
「源氏物語」横笛の巻に、「露しげき葎の宿にいにしへの 秋にかはらぬ虫の声かな」とみえる。秋の淋しさの演出の一つである。また「山の井」に、「虫ふく嵐の山のべのけしき、とぼしありく行燈のかげに、小倉の里もたどたどしからぬ有様、また、させもが露を命にすだく心ばへ、暮れ行く秋を惜しみなきする野辺の哀れさ」とみえ、情感に通う季題でもある。
さて、黙阿弥に「島鵆月白波」(明治十四初)がある。散切物の白浪狂言であるが、その三幕目の望月輝と弁天お照の色模様に、清元の名曲「雁金」をあしらう。
雁金を 結びし幮も昨日今日 残る暑さを忘れてし 肌につめたき風立ちて 昼も音を鳴く蟋蟀に 哀れを添える秋の末・・・・・
曲中に、ちりばめられた虫の音が、たっぷりと秋の情趣を添えている。ちなみに、望月輝は九世市川団十郎、弁天お照は八世岩井半四郎の配役であった。
観音の明かりを外れ虫を売る 大堀柊花
虫(むし)島鵆月白浪(しまちどりつきのしらなみ)望月輝(もちづきあきら)
幮(かや)蟋蟀(こおろぎ)葎(むぐら)
「俳諧歳時記」に、
単に虫といひて、秋に鳴くいろいろの虫の総称とす。「虫籠」松虫・鈴虫・等を飼ふに用ふる籠にして、竹を削りて精巧に造れるもの、古くは虫屋といへり。「虫売」初秋の頃街々に荷を下ろし、鳴虫をひさぐ。昔より今もかはらぬ優しき都会の夜景なり。虫の種類は、鈴虫・松虫・轡虫・朝鈴など。「虫合せ」は虫の鳴き合せにて、声のよしあしを合せて遊ぶをいふ。「虫聞き」は虫の鳴声を慕ひて、夕方より郊外野山に出向くもの、昔は相当広く行はれたる風流韻事なり。浮世絵などに、この虫聞きの図数多あり。また「虫選び」は、古、殿上人の嵯峨野などの京都郊外に逍遥して鳴く虫を採り、籠に入れて宮中に奉りしをいふ。
とある。
「源氏物語」横笛の巻に、「露しげき葎の宿にいにしへの 秋にかはらぬ虫の声かな」とみえる。秋の淋しさの演出の一つである。また「山の井」に、「虫ふく嵐の山のべのけしき、とぼしありく行燈のかげに、小倉の里もたどたどしからぬ有様、また、させもが露を命にすだく心ばへ、暮れ行く秋を惜しみなきする野辺の哀れさ」とみえ、情感に通う季題でもある。
さて、黙阿弥に「島鵆月白波」(明治十四初)がある。散切物の白浪狂言であるが、その三幕目の望月輝と弁天お照の色模様に、清元の名曲「雁金」をあしらう。
雁金を 結びし幮も昨日今日 残る暑さを忘れてし 肌につめたき風立ちて 昼も音を鳴く蟋蟀に 哀れを添える秋の末・・・・・
曲中に、ちりばめられた虫の音が、たっぷりと秋の情趣を添えている。ちなみに、望月輝は九世市川団十郎、弁天お照は八世岩井半四郎の配役であった。
観音の明かりを外れ虫を売る 大堀柊花
虫(むし)島鵆月白浪(しまちどりつきのしらなみ)望月輝(もちづきあきら)
幮(かや)蟋蟀(こおろぎ)葎(むぐら)
PR
この記事にコメントする