俳句
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赤松も門も小ぶりに牡丹寺
清明の空をけぶらせ大欅
ぼうたんの宝珠弾けしばかりかな
鳥影の過ぎて陰りぬ白牡丹
崩れむとして崩れざり白牡丹
金の蕊涙のさまに黒牡丹
大伽藍遠目にしだれ桜かな
思ひ出はうしほのごとく糸繰草
のどけしや詩をそらんじて舟にあり
梅若にゆかりの寺の金鳳華
清明の空をけぶらせ大欅
ぼうたんの宝珠弾けしばかりかな
鳥影の過ぎて陰りぬ白牡丹
崩れむとして崩れざり白牡丹
金の蕊涙のさまに黒牡丹
大伽藍遠目にしだれ桜かな
思ひ出はうしほのごとく糸繰草
のどけしや詩をそらんじて舟にあり
梅若にゆかりの寺の金鳳華
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をだまきや乾きてしろき吉野紙 水原秋櫻子
「ホトトギス新歳時記」に、
古くから鑑賞用として、庭などに栽培される。草丈は二、三十糎くらい。白色を帯びた掌状の複葉の間から伸びた花茎に青紫色または白色の美しい花を下向きにつける。花の形が糸巻きの一種の苧環に似ているのでこの名があり、また糸繰草ともいう。種類が多く、西洋苧環など八重咲きのものもある。
とある。
苧環の「苧」とはアサ(麻)の異名である。また、アサやカラムシの茎皮からとれる繊維をいい、「苧環」とは、つむいだアサの糸を、中を空洞にして丸く卷子に巻き付けたものをいう。
「いにしへのしずのをだまきいやしきも よきもさかりはありしものなり」(古今集)
また、枝や葉のない枯れ木のことをいうが、一説には、鉾杉(ほこのような形の杉)を見立てたとする。
「谷深くたつおだまきは我なれや 思ふ心の朽ちてやみぬる」(狭衣物語)
さて、舞踊に長唄「賎の小田巻」(演芸画報社同人作詞 五世杵屋勘五郎作曲 二世藤間勘右衛門振付 明治四十一初)がある。鎌倉で法楽舞を舞った静御前を舞踊にしたものである。
吉野山峰の白雪踏み分けて みねの白雪ふみわけて入りにし人ぞ恋しき 恋衣いとど露けき旅の空 身の終りさえ定めなく 東路さして行く雲の箱根をあとにこゆるぎや 早や鎌倉に着きにけり
「是は静と申す白拍子にて候」
さても此度鎌倉殿御所望にて
「妾にひとさし舞い候へとの御事にて候」
思出れば在りし世の 栄華の夢やひと時の花に戯れ月に舞う差す手引く手は変らねど かわる浮世のうきふしを忍び兼ねたる時の和歌 賎や賎しずの小田巻くり返し 昔を今になすよしもがな
をだまきや阿闍梨の臥所暗かりき 大堀 柊花
苧(ちょ)
苧環(をだまき)賎の小田巻(しずのおだまき)阿闍梨(あじゃり)卷子(へそ)
「ホトトギス新歳時記」に、
古くから鑑賞用として、庭などに栽培される。草丈は二、三十糎くらい。白色を帯びた掌状の複葉の間から伸びた花茎に青紫色または白色の美しい花を下向きにつける。花の形が糸巻きの一種の苧環に似ているのでこの名があり、また糸繰草ともいう。種類が多く、西洋苧環など八重咲きのものもある。
とある。
苧環の「苧」とはアサ(麻)の異名である。また、アサやカラムシの茎皮からとれる繊維をいい、「苧環」とは、つむいだアサの糸を、中を空洞にして丸く卷子に巻き付けたものをいう。
「いにしへのしずのをだまきいやしきも よきもさかりはありしものなり」(古今集)
また、枝や葉のない枯れ木のことをいうが、一説には、鉾杉(ほこのような形の杉)を見立てたとする。
「谷深くたつおだまきは我なれや 思ふ心の朽ちてやみぬる」(狭衣物語)
さて、舞踊に長唄「賎の小田巻」(演芸画報社同人作詞 五世杵屋勘五郎作曲 二世藤間勘右衛門振付 明治四十一初)がある。鎌倉で法楽舞を舞った静御前を舞踊にしたものである。
吉野山峰の白雪踏み分けて みねの白雪ふみわけて入りにし人ぞ恋しき 恋衣いとど露けき旅の空 身の終りさえ定めなく 東路さして行く雲の箱根をあとにこゆるぎや 早や鎌倉に着きにけり
「是は静と申す白拍子にて候」
さても此度鎌倉殿御所望にて
「妾にひとさし舞い候へとの御事にて候」
思出れば在りし世の 栄華の夢やひと時の花に戯れ月に舞う差す手引く手は変らねど かわる浮世のうきふしを忍び兼ねたる時の和歌 賎や賎しずの小田巻くり返し 昔を今になすよしもがな
をだまきや阿闍梨の臥所暗かりき 大堀 柊花
苧(ちょ)
苧環(をだまき)賎の小田巻(しずのおだまき)阿闍梨(あじゃり)卷子(へそ)
初花の枝垂れにふれて手漕舟
初花に大横川の流れかな
対岸はむかし花町花見舟
川風に大江戸桜ほころびぬ
手漕舟大きく迂回花の昼
心地よき和舟の揺れや花曇
不動さま詣でてよりの菜飯茶屋
花ミモザ心惑へば揺れやすき
虎杖の芽のくれなゐに僧の恋
治聾酒をつぐ盃に灯が映り
初花に大横川の流れかな
対岸はむかし花町花見舟
川風に大江戸桜ほころびぬ
手漕舟大きく迂回花の昼
心地よき和舟の揺れや花曇
不動さま詣でてよりの菜飯茶屋
花ミモザ心惑へば揺れやすき
虎杖の芽のくれなゐに僧の恋
治聾酒をつぐ盃に灯が映り
君子蘭抱いて庭より訪れし 今井つる女
「花の大歳時記」に、
ヒガンバナ科の常緑多年草。南アフリカ喜望峰の原産でわが国には明治初めに渡来したといわれる。観賞用として温室などで栽培され、鉢ものとして出荷される。君子蘭の名の由来は、学名クライウ・ノベルス(高貴なる)にもとづき、クライウ家出身のノーサンバーランド公爵夫人の名に因む。
花茎は高さ四十~五十センチぐらい。先端に緋橙色の細長い筒状花をつける。
とある。
君子蘭はヒガンバナ科の不耐寒性多年草。冬の間は室内や温室で育てる。南アフリカ原産で、一八四五年にヨーロッパに紹介され、日本へは明治末年に渡来した。
ベルギー、ドイツ、オランダなどで品種改良が行われたが、日本でも、葉が幅広で短く、整然と並んで外側に反転するダルマ系や、美しい斑が入る品種が育成されている。
さて、蘭は二万五千種からなる。園芸界では、東洋蘭と洋蘭に分けることがあるが、日本や中国大陸中・南部など主として温帯原産で、日本で古くから栽培されてきたものを東洋蘭、熱帯から亜熱帯原産で、主として欧米で改良され、明治時代に導入された花色の美しいものを洋蘭と呼んでいる。日本の蘭の栽培は江戸時代に流行し、天保時代に頂点に達した。欧米の蘭栽培は中国、日本よりはるかに遅く、十九世紀前半にブラジルからカトレア属、中米からレリア属などの美しい蘭が相次いでイギリスやフランスに導入され、関心を集めた。
蘭の花が観賞栽培される近世以前、蘭は実用品であった。古代のギリシャではハクサンチドリOrchis属、オフリスOphrys属の球根を催淫剤として食用した。Orchisはギリシャ語の睾丸の意味で、薬効は球根が似ることからの連想である。
いささかも花弁ゆるめず君子蘭 大堀柊花
君子蘭(くんしらん)因む(ちなむ)緋橙色(ひとうしょく)睾丸(こうがん)
禁制の不浄門より春の風
黒松を楯のごとくに梅ひらく
二の丸の茶室のあたり梅盛り
白梅を見て紅梅へ歩を返す
薄紅梅ほろりとろりとひらきけり
金色の鯉を浮かべて水温む
円窓の仄と点りて梅見茶屋
一途には物思はざり薄氷
氏よりも育ちのよくて君子蘭
出生のいづれを問はず木の実植う
黒松を楯のごとくに梅ひらく
二の丸の茶室のあたり梅盛り
白梅を見て紅梅へ歩を返す
薄紅梅ほろりとろりとひらきけり
金色の鯉を浮かべて水温む
円窓の仄と点りて梅見茶屋
一途には物思はざり薄氷
氏よりも育ちのよくて君子蘭
出生のいづれを問はず木の実植う