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深川の降りみ降らずみ秋祭
水上バス祭の橋をくぐりゆき
たっぷりと待たせ深川神輿くる
豪勢な深川ぶりの祭寄付
橋重るほどや神輿の渡りつぎ
高々と掲げ平泉の神輿
手古舞の過ぎて色なき祭かな
描くものどれも淡くて秋暑し
雀らの歪みて飛べる初嵐
ブラジルは遠き国かな花カンナ
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 深川の祭に葛西囃子かな  深川正一郎

   「栞草」に、
   江戸城南深川にあり。寛永元年、長感法師、霊夢のことありて、永代島に宮居を建立し、同八年成就す。深川の土人、本居神とす。祭礼八月十五日、放生会あり。
  とある。
   「年中行事辞典」に、
   深川八幡神社の祭。もと八月の放生会として行われたもので、江戸時代には名月を背景に、初秋の下町を湧きたたせた情緒深い祭として、夏の山王祭・三社祭などとともに有名であった。現在、神輿渡御のほかに芸妓の手古舞や鳶職の木遣節などが行われて、江戸の辰巳情緒をわずかながら味わうことができる。
  とある。
   深川八幡宮は富岡八幡ともいう。祭神は誉田別命に天照大神ほか三柱を配祀する。天平宝字年間(七五七~七六五)の創建と伝えるが、「江戸名所図会」には源三位頼政が尊崇した神像を千葉・足利両氏が伝え、のち太田道灌の守護神になるという。寛永四年(一六二七)に永代島に再建、江戸下町の繁盛につれてとくに深川木場の尊崇をあつめる。深川祭は八月十五日とその前夜を含む四日間行われる。

   さて、宇野信夫の作に「巷談宵宮雨」(昭和十初)がある。
   深川黒江町寺門前に住む遊び人太十の家に女犯の罪で晒者になった伯父龍達がころがりこむ。太十は龍達から預かった娘のおとらを無理やり妾奉公に出して金にするような男。また、元妙蓮寺の住職でもある龍達も女たらしの強慾者で、用心のため寺に隠し埋めておいた百両を太十に掘り出させる。命がけで働いた太十に、龍達の礼金はたった二両。怒った太十は鼠取りの石見銀山で龍達を毒殺、死体を川へ放り込むがそこは、丁度その夜、妾奉公を嫌ったおとらが身投げした場所。
   深川の裏町に住む太十夫婦をはじめ、その隣の早桶屋、石見銀山という鼠取りの薬を売り歩く男など江戸のしがない暮しと庶民の姿が巧みに描写されている。

    鳳凰へ水のはなむけ深川祭  大堀柊花

  深川祭(ふかがはまつり)本居神(うぶすな)誉田別命(ほむだわけのみこと)
  天照大神(あまてらすおおみかみ)巷談宵宮雨(こうだんよみやのあめ) 
蜘蛛の囲もまた美しき蘆花旧居
誰が袖にふれむか萩の走り咲き
迷執の果ての彩とも白あぢさゐ
未草いまだ目覚めず恒春園
隈笹の隈のおとろへ夏深し
花園の蝶の狂乱とどまらず
まどろめばわれに翅生えハンモック
君立てばくれなゐ褪せて百日紅
真っ白な雲ゆきすぎし青田かな
夜店立つ観音の灯を遠くみて
    女来と帯纏き出づる百日紅  石田 波郷

   「俳諧歳時記」に、
   観賞用として庭園に栽培され、高さ二丈余に達する。幹よく曲りくねり、樹皮滑らかにして光沢あり、猿も尚滑るといふ意より此名あり。又仲夏より秋まで咲き続くより「百日紅」とも称す。葉は卵形或は楕円、対生と互生とあり。夏日枝梢に皺縮ある紅色の花を簇り開く。稀には花白色のものあり、「百日白」と云はる。俗にこの樹の樹皮を摩擦すれば枝葉共に動揺すとて「くすぐりの木」とも云ふ。花言葉を「雄弁」とす。
  とある。
   さるすべりはミソハギ科の落葉高木で高さ五~一〇メートル。中国南部原産で、中国名は紫薇。七~九月、枝先の円錐花序に紅紫色、径三~四センチの六弁の花を開く。花が白色のシロサルスベリ、淡紫色のウスムラサキサルスベリもある。
   日本には江戸時代に入っており、貝原益軒の「花譜」(元禄七)に初めて百日紅の名が出てくる。日本に野生するヒメシャラ、ナツツバキ、リョウブなども樹皮が似ているのでサルスベリとよばれる。

   さて、赤星水竹居に「百日紅」(ホトトギス 昭和一〇)がある。
   北国では百日紅のことを「笑ひ木」と云ふさうだが、私達の郷里でも百日紅のことを「こそぐりの木」と云って、この木のすべっこい肌をなでてやると、木がくすぐったくて笑ふやうに自然に動揺する。私達は子供の時分にそれが面白さに、百日紅を見ると足音も静かに歩いて木に近寄って行って、木の膚をそーっとなでてやる。すると天辺の枝の先が少しづつ揺れ出して、それから段々下の方の枝が動いて、お仕舞には幹までが動揺する様になる。それが人間のこそばゆがりやをくすぐってやる様に面白いので、百日紅さへ見れば直ぐ近寄って行って木の膚を撫でてやったものだ。それが子供の時ばかりでなく、老年になって江戸川に居る時分にもよく庭へ出ては此木の膚
  を撫でてやった。

   衿もとをくつろげ過ぐる百日紅  大堀 柊花

  百日紅(さるすべり)簇り(むらがり)
青々と川は流れて花茨
青葦やむかし川並住みし町
たもとほる釜屋の渡し梅雨晴間
橋ひとつふたつみつ過ぎ恋ボート
花梯梧水路と水路めぐり合ひ
あぢさゐの毬の怠惰に雨のひま
美しき脛を慕ひて蛭泳ぐ
存亡を賭けしたたかひ花石榴
愛されも嫌はれもせず蚯蚓這ふ
管弦のなき水のうへ蓮浮葉
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