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明王の御眼つぶれるほどに凍て
境内の垢離場の石へ冬日かな
散りつくし仁王立ちなる公孫樹
枇杷咲いて岡場所ありしこのあたり
たもとほり抜け径近径落葉径
寒々と木場のおもかげ鶴歩橋
三尺の注連売ってゐる年の暮
美しく灰を均して年忘
言の葉の貧しき人とゐて寒し
内濠に城守のごと鴨の群
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    鴨


    海くれて鴨の声ほのかに白し  芭蕉

    「俳諧歳時記」に、
    鴨は秋季寒地より群飛して来て、我国の湖沼、河川等に群集生活を営み、やがて
   春三・四月の頃再び帰ってゆく候鳥である。河鴨と海鴨とに大別されてゐるが、食
   用としても狩猟の獲物としても、河鴨の類が主とされてゐる。安全な山中の池や沼
   から、食を求める為に薄暮から夜にかけて、田や畑に飛来してくる。狩人をのせた小舟がとび立つ鴨を追ひ撃つ面白さ、夕明りも消えた大沼田にひそんで、峯を越して網にかかる鴨を待つ趣、雪峯のめぐってゐる湖上に、群居遊泳する鴨の大景、いづれも冬の深い趣である。
   とある。
    鴨の油がのっておいしいのは十一月から翌年三月で、寒い季節が旬である。
    日本料理でも西洋料理でも高級料理として取り扱われる。鴨飯、鴨鍋、鴨汁、鴨雑煮、ローストなどの料理がある。鴨飯は、脂皮を煮だしてスープをとり、それに薄塩味をつけてご飯を炊く。肉はよくたたき、炒めてから酒と醤油で味をつけ、熱いご飯の上にかけ、刻み芹、もみのりなどを添える。鴨汁は肉をたたいて、おろした山の芋を小麦粉と混ぜて団子にし、大根、人参、芹などといっしょに煮込み、醤油で味付けする。鴨の葛まぶしは北陸地方の料理で、鴨の肉を一センチくらいの厚さに切り、これに葛粉をまぶしてゆでる。別にだし汁をこしらえ、芹を加えて鴨汁をつくる。

    さて、歌舞伎舞踊の清元に「鳥刺」(三升屋二三治作詞 清元斉兵衛作曲 天保二初)がある。
     さすぞえ さすは盃 初会の客よ 手にはとれども初心顔 刺いて呉りよ呉りよ これ物にかんまえて まずこれものにかんまえて ちょっと刺いて呉れようか 刺いたら子供に羽根やろか 鶸や小雀や四十雀るりは見事な錦鳥 こいつは妙々奇妙鳥類何でもござれ
    「鳥刺」は巷間舞踊でもあり、各地に分布する。また、上方舞にも「鳥刺」がある。

     そのかみのお伝ひ橋や鴨の声  大堀 柊花
水亭の真白き障子冬紅葉
蒲の穂の身を反らしつつ水鏡
堰が隔てて名園の鴨の恋
寒禽の絹引き裂きしごとき声
真っ白な鳩の日向や桃青忌
おほかたは栗鼠食みこぼす木の実かな
蜘蛛猿の揉めを遠目に日向ぼこ
白梟思案の首をまはしけり
姫神の袖ひるがへし神渡し
蕎麦を刈る昔も今も城下町

       蕎麦刈

    蕎麦を刈るかかる真昼のかそけさに  篠田悌二郎

   「ホトトギス新歳時記」に、
   高冷地などの夏蕎麦は七月ごろに花が咲いて初秋に刈るが、一般に平地では秋蕎麦といって九月ごろに花が咲いて晩秋から初秋に刈り取る。秋蕎麦は粒が大きくて粉量が多いので、蕎麦といえばふつうこれをいう。黒褐色に熟した実は落ちやすいので、雨の後や朝露の乾かないうちに鎌で刈り取ったり手で引いたりする。茎は紅く柔らかいのでさらさらと軽い音を立てて刈られる。その蕎麦は組木に掛けたりして干し、脱穀機や竿などで叩いて実を落とす。
  とある。
   ソバの語源は、ソバの果実に三つの稜があり、ムギと対比するとその点が大きく異なるので、古くはソバムギとよばれた。(「倭名類聚鈔」「本草和名」)。命名からして、その渡来はムギより遅い。徳島県の祖谷など山間地方では「そば米」がつくられている。ソバの果実を煮て、数日間干し、脱粒した一種の糒で、ハレの日の雑炊や吸い物などに使われる。中国原産だが、現存する中国最古の農書「斉民要術」(六世紀)には、蕎麦が巻頭雑説に取り上げられているにすぎず、本文には記載がない。南北朝時代にはまだ普及していなかったと考えられる。

   さて、落語に「蕎麦の殿様」がある。
   易にこった殿様、誰彼を問わずつかまえては人相をみるので、家来たちがそばへ寄りつかなくなった。易がひまになってきたある日、御親戚でそば職人がそばを打つのを御覧になって、大変感心し、帰るとさっそく家来を集めてそばを打ったが、そばともそばがきともつかないものができあがる。無理におかわりをして食べた家来たちは、夜っぴて便所通い。翌朝青ざめて御殿へ出ると、またそば攻めにあって、屋敷じゅう病人だらけ。御意見番に話をすると、捨てておけないというので、殿様に意見をしてやめさせたが、ほっと一息つく間もなく・・・

   刈り伏せし蕎麦に夕日の紅のこる  大堀 柊花

  蕎麦刈(そばかり)稜(りょう)祖谷(いや)糒(ほしい)斉民(せいみん)
  倭名類聚鈔(わみょうるいじゅうしょう)本草和名(ほんぞうわみょう)

百軒に余る古書店天高し
万太郎荷風横積み古書の秋
蜘蛛の這ふ古書の背表紙うそ寒し
巻子本おほかた伝記萩日和
店先の古書をはたいて暮の秋
火の恋し袖珍本は玻璃ぬちに
天井へ古書のそびゆる書肆の秋
壺の花こぼるることも身に沁みて
山の端に夕日まみれの椋の群
末枯を映して水の急がざり

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