俳句
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笛を吹く少年の像緑さす
別邸は坂がかりにて夏木立
釣人に木の花匂ふ薄暑かな
夏浅し水に差し出て臥竜松
図書館は改修工事しゅろの花
青葉木菟鳴きさうな森多佳子の忌
面影はむらさきにこそ鉄線花
杓をひく袂のかろき風炉点前
草笛を合図のごとく吹き鳴らし
法然は浄土門なり松落葉
別邸は坂がかりにて夏木立
釣人に木の花匂ふ薄暑かな
夏浅し水に差し出て臥竜松
図書館は改修工事しゅろの花
青葉木菟鳴きさうな森多佳子の忌
面影はむらさきにこそ鉄線花
杓をひく袂のかろき風炉点前
草笛を合図のごとく吹き鳴らし
法然は浄土門なり松落葉
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花石榴久しう咲いて忘られし 正岡 子規
「花の大歳時記」に、
ザクロはペルシア地方原産のザクロ科の落葉高木。中国を経て日本へ渡来した。平安時代といわれ、「古今六帖」には「あしびきの山柘榴咲く」と歌われている。ザクロの語源は、石榴の漢音セキリュウの転じたものという。ザクロの実を食べるようになったのは江戸時代以降で、それまではもっぱら花を観賞したり果皮を薬用に供したりしていた。花は六月ごろに咲き、筒状で六弁。燃えるような真紅の花が夏空を、あるいは梅雨空を背景に咲き誇るのは、この季節の花としてまことにふさわしい。
とある。
右手にザクロを持つ鬼子母神像は、釈迦が訶梨帝母にザクロを与え、人の子のかわりにその実を食べよと戒めたという仏教説話が日本に伝わって、できあがった。このため、ザクロは人間の味がするとして、昔は好まれなかった。仏典には降魔の威力をもつとある。中国へは紀元前二世紀、張騫が西域から持ち帰ったと伝えられ、日本ではかって銅鏡を磨くのにこの果汁が用いられた。
新王国時代のエジプト、フェニキア、古代ローマなどでは神聖な植物とみなされ、ペルシャでは果実が王笏の頭部を飾り、ギリシャのロードス島では花が王室の紋章の一部に使われて権威の象徴とされた。
さて、随筆に「柘榴の花」(三好達治)がある。
万物の蒼々たる中に柘榴の花のかっと赤く咲きでたのを見ると、毎年のことだが、私はいつも一種名状しがたい感銘を覚える。
路傍などでこの花を見かけて眼を驚かせるその心持の中には、何か直接な生命の喜びとでもいふやうなものが、ともすればふさぎ勝ちな前後の気持を押しのけて、独自の逼り方で強く胸に逼ってくるのを私は覚える。それは眼を驚かせるといふよりも、直接心を驚かせるやうな色彩である。それは強烈でまた単純でありながら、何か精神的な高貴な性質を帯びた、あの艶やかな朱である。
若くして人は死にゆき花石榴 大堀 柊花
石榴の花(ざくろのはな)訶梨帝母(かりていも)張騫(ちょうけん)
逼り(せまり)王笏(おうし
「花の大歳時記」に、
ザクロはペルシア地方原産のザクロ科の落葉高木。中国を経て日本へ渡来した。平安時代といわれ、「古今六帖」には「あしびきの山柘榴咲く」と歌われている。ザクロの語源は、石榴の漢音セキリュウの転じたものという。ザクロの実を食べるようになったのは江戸時代以降で、それまではもっぱら花を観賞したり果皮を薬用に供したりしていた。花は六月ごろに咲き、筒状で六弁。燃えるような真紅の花が夏空を、あるいは梅雨空を背景に咲き誇るのは、この季節の花としてまことにふさわしい。
とある。
右手にザクロを持つ鬼子母神像は、釈迦が訶梨帝母にザクロを与え、人の子のかわりにその実を食べよと戒めたという仏教説話が日本に伝わって、できあがった。このため、ザクロは人間の味がするとして、昔は好まれなかった。仏典には降魔の威力をもつとある。中国へは紀元前二世紀、張騫が西域から持ち帰ったと伝えられ、日本ではかって銅鏡を磨くのにこの果汁が用いられた。
新王国時代のエジプト、フェニキア、古代ローマなどでは神聖な植物とみなされ、ペルシャでは果実が王笏の頭部を飾り、ギリシャのロードス島では花が王室の紋章の一部に使われて権威の象徴とされた。
さて、随筆に「柘榴の花」(三好達治)がある。
万物の蒼々たる中に柘榴の花のかっと赤く咲きでたのを見ると、毎年のことだが、私はいつも一種名状しがたい感銘を覚える。
路傍などでこの花を見かけて眼を驚かせるその心持の中には、何か直接な生命の喜びとでもいふやうなものが、ともすればふさぎ勝ちな前後の気持を押しのけて、独自の逼り方で強く胸に逼ってくるのを私は覚える。それは眼を驚かせるといふよりも、直接心を驚かせるやうな色彩である。それは強烈でまた単純でありながら、何か精神的な高貴な性質を帯びた、あの艶やかな朱である。
若くして人は死にゆき花石榴 大堀 柊花
石榴の花(ざくろのはな)訶梨帝母(かりていも)張騫(ちょうけん)
逼り(せまり)王笏(おうし
風鎮は緑水晶鉄線花 高濱虚子
「栞草」に、
按ずるに、苗、宿根より生ず。一椏に三葉、微芍薬の秧に似て小さく、茎細く靭、
甚勁し。故に鉄線といふ。四月花を開く。萼の下に六葉あって茎を抱く。其花白花、六の辧に開いて、蘂円く、紫色、最優美。其蘂綻ぶれば、天蚕糸を縒りて総をなすに似て、其もとに子あり。
とある。
また「俳諧歳時記」に、
庭園に栽培する蔓性の落葉潅木。茎は細長く蔓をなし微毛あり、葉は対生し、二回三出の複葉をなし、その小葉は卵形、葉柄を以て他物に巻きつつ茎を上昇せしむ、六・
七月頃六片の白き花被を有せる美花を開く、蘂は暗紫色にて多数あり。有毒植物。
とある。
鉄線はキンポウゲ科の落葉藤本。茎が細長く質が堅いのでこの名がある。クレマチスの代表的な一種で、カザグルマと近縁である。原産は中国。葉は対生し有柄の三出葉または二回三出複で、小葉は卵形または卵状被針形、葉柄は他物に巻き付く。花は
葉腋に付き、白色で径六~八㌢、花弁がなく、萼片は六枚で花弁状、雄しべは多数あり、普通は花糸が扁平で暗紫色。ほかに紫色花や八重咲き花のものもある。花期は五~六月。繁殖は挿芽、つる伏せなどによる。
さて、「鉄線花咲きそめにけり父の窓 立子」がある。
虚子庵の俳小屋の窓の近くに、鉄線花の棚があった。俳小屋とは虚子の名付けた書斎のことである。
この句、鉄線花が咲いていたのではなく、咲き初めたのである。父の窓に。そして季題「鉄線花」に、父虚子への畏敬の念が深い。
立子は我々に、時に虚子先生という言い方で話された。実に自然に受け入れられる話しようであった。
この数日前、虚子に「わが庭や牡丹につづき鉄線花」の一句がある。
鉄線の花の一徹武家屋敷 大堀柊花
「栞草」に、
按ずるに、苗、宿根より生ず。一椏に三葉、微芍薬の秧に似て小さく、茎細く靭、
甚勁し。故に鉄線といふ。四月花を開く。萼の下に六葉あって茎を抱く。其花白花、六の辧に開いて、蘂円く、紫色、最優美。其蘂綻ぶれば、天蚕糸を縒りて総をなすに似て、其もとに子あり。
とある。
また「俳諧歳時記」に、
庭園に栽培する蔓性の落葉潅木。茎は細長く蔓をなし微毛あり、葉は対生し、二回三出の複葉をなし、その小葉は卵形、葉柄を以て他物に巻きつつ茎を上昇せしむ、六・
七月頃六片の白き花被を有せる美花を開く、蘂は暗紫色にて多数あり。有毒植物。
とある。
鉄線はキンポウゲ科の落葉藤本。茎が細長く質が堅いのでこの名がある。クレマチスの代表的な一種で、カザグルマと近縁である。原産は中国。葉は対生し有柄の三出葉または二回三出複で、小葉は卵形または卵状被針形、葉柄は他物に巻き付く。花は
葉腋に付き、白色で径六~八㌢、花弁がなく、萼片は六枚で花弁状、雄しべは多数あり、普通は花糸が扁平で暗紫色。ほかに紫色花や八重咲き花のものもある。花期は五~六月。繁殖は挿芽、つる伏せなどによる。
さて、「鉄線花咲きそめにけり父の窓 立子」がある。
虚子庵の俳小屋の窓の近くに、鉄線花の棚があった。俳小屋とは虚子の名付けた書斎のことである。
この句、鉄線花が咲いていたのではなく、咲き初めたのである。父の窓に。そして季題「鉄線花」に、父虚子への畏敬の念が深い。
立子は我々に、時に虚子先生という言い方で話された。実に自然に受け入れられる話しようであった。
この数日前、虚子に「わが庭や牡丹につづき鉄線花」の一句がある。
鉄線の花の一徹武家屋敷 大堀柊花
三椏のはや実となんぬ芝の鐘
古墳へは坂がかりなり著莪の花
高張の昼を灯して梅若葉
八重ざくら満を持すかに東照宮
やぶさめの噂ちらほら遅桜
寺町へつづく花町荷風の忌
パンジーの泣き出しさうな雨となる
潤みしは涙のせいか春の星
おっとりとひらきて淋し桜漬
誰もゐぬわが家へ帰る春の暮
古墳へは坂がかりなり著莪の花
高張の昼を灯して梅若葉
八重ざくら満を持すかに東照宮
やぶさめの噂ちらほら遅桜
寺町へつづく花町荷風の忌
パンジーの泣き出しさうな雨となる
潤みしは涙のせいか春の星
おっとりとひらきて淋し桜漬
誰もゐぬわが家へ帰る春の暮
卵置く三色菫の花の中 高野 素十
「俳諧歳時記」に、
菫の一種であるが、三色菫にも色々の種類がある。花壇用大輪混同種、大輪バクノット・ジャイアント等がそのおもなるもので、、色は紫・黄・白ぼかし等が配合されてゐる。三色菫といふのは、紫黄白の三色を交へた花が咲くからである。花が美しく可憐で、育て易いので、観賞用として汎く愛育されてゐる。別名遊蝶花又胡蝶花と云ふのは、花の状があたかも蝶のやうだからと云ふ。
とある。
スミレ科の半耐寒性一年草。和名をサンシキスミレと呼ぶが、これは学名ビオラ・トリコロールを訳したもの。日本ではこの系統のものをすべてパンジーの名でよんでいる。
シェークスピアは「真夏の夜の夢」で、パンジーを媚薬として使い、眠っている間にその花汁をまぶたに塗られると、目覚めたとき、最初に見たものに恋をするという喜劇を描いた。パンジーの名はフランス語のパンセに由来するが、それはパンジーのつぼみが下を向き、頭を垂れて物思う姿を思わせるからである。
さて、イギリスの随筆家チャールズ・ラムと姉メアリとの共同作品に「シェークスピア物語」(一八〇六)がある。
子供が古典に近づく助けにしたい希望から、シェークスピアの劇作品中二十編を選び、喜劇はメアリが、悲劇はチャールズが、子供向きに再話した。複雑な構成の原作を簡潔にし、原作の精神をとらえ、せりふのことばをそのまま生かそうとした意図が成功して、児童文学の古典の一つとされている。収録された作品は「あらし」「真夏の夜の夢」「冬の夜話」「お気に召すまま」「ベロナの二紳士」「ベニスの商人」「リア王」「マクベス」「じゃじゃ馬馴らし」「十二夜」「ロメオとジュリエット」「ハムレット」「オセロ」「から騒ぎ」「シンベリン」「終りよければすべてよし」「まちがいの喜劇」「しっぺがえし」「アセンズのタイモン」「ペリクリーズ」である。
パンジーに物思ひぐせいつよりか 大堀 柊花
三色菫(さんしきすみれ)汎く(ひろく)
「俳諧歳時記」に、
菫の一種であるが、三色菫にも色々の種類がある。花壇用大輪混同種、大輪バクノット・ジャイアント等がそのおもなるもので、、色は紫・黄・白ぼかし等が配合されてゐる。三色菫といふのは、紫黄白の三色を交へた花が咲くからである。花が美しく可憐で、育て易いので、観賞用として汎く愛育されてゐる。別名遊蝶花又胡蝶花と云ふのは、花の状があたかも蝶のやうだからと云ふ。
とある。
スミレ科の半耐寒性一年草。和名をサンシキスミレと呼ぶが、これは学名ビオラ・トリコロールを訳したもの。日本ではこの系統のものをすべてパンジーの名でよんでいる。
シェークスピアは「真夏の夜の夢」で、パンジーを媚薬として使い、眠っている間にその花汁をまぶたに塗られると、目覚めたとき、最初に見たものに恋をするという喜劇を描いた。パンジーの名はフランス語のパンセに由来するが、それはパンジーのつぼみが下を向き、頭を垂れて物思う姿を思わせるからである。
さて、イギリスの随筆家チャールズ・ラムと姉メアリとの共同作品に「シェークスピア物語」(一八〇六)がある。
子供が古典に近づく助けにしたい希望から、シェークスピアの劇作品中二十編を選び、喜劇はメアリが、悲劇はチャールズが、子供向きに再話した。複雑な構成の原作を簡潔にし、原作の精神をとらえ、せりふのことばをそのまま生かそうとした意図が成功して、児童文学の古典の一つとされている。収録された作品は「あらし」「真夏の夜の夢」「冬の夜話」「お気に召すまま」「ベロナの二紳士」「ベニスの商人」「リア王」「マクベス」「じゃじゃ馬馴らし」「十二夜」「ロメオとジュリエット」「ハムレット」「オセロ」「から騒ぎ」「シンベリン」「終りよければすべてよし」「まちがいの喜劇」「しっぺがえし」「アセンズのタイモン」「ペリクリーズ」である。
パンジーに物思ひぐせいつよりか 大堀 柊花
三色菫(さんしきすみれ)汎く(ひろく)