俳句
カレンダー
06 | 2025/07 | 08 |
S | M | T | W | T | F | S |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | ||
6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 | 12 |
13 | 14 | 15 | 16 | 17 | 18 | 19 |
20 | 21 | 22 | 23 | 24 | 25 | 26 |
27 | 28 | 29 | 30 | 31 |
フリーエリア
最新TB
プロフィール
HN:
No Name Ninja
性別:
非公開
ブログ内検索
×
[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。
蟻
蟻の道まことしやかに曲りたる 阿波野青畝
「俳諧歳時記」に、
夏盛んに出でて食を貯へ、冬は蟄居せる小昆虫。小なるは一二分、大なるは七八分、黒きあり、赤きあり、朽木又は土中に巣を営みて群棲す。雌雄は生殖に際し、二対の翅を生じて飛び、空中に交尾す。
とある。
また「和漢三才図会」に、
蟻は君臣の義をもっている。それで字は義と書く。大小、黒・白。黄・赤の数種あって、穴居して卵生する。その居所には階級による差があり、行くときは隊列をつくる。よく雨を予知する。春に出てきて冬蟄する。そのときは土を塞いで封をする。これを蟻封という。
とある。
身辺で社会的な生活を営むためか、アリには昆虫では珍しく、人間との類同性を説いた伝承が多い。その顕著な例は、アリが最初の人間になったというもので、北アメリカのインディアン、ポピ族では、最初の人間はアリであったと信じ、アパッチ族はナバホ族をアリ人間とよんでいる。
アリは物事を予知して行動するとして、その動きを何かの前兆とみる風習も多い。日本ではアリが闘うと雨が降るといい、アイヌ族では大きな黒いアリが多くみられるのを凶年の前兆とする。
さて、能に「蟻通」(世阿弥)がある。
和歌の神のおわす住吉、玉津島への参詣の途上、紀貫之(ワキ)と従者(ワキツレ)は、和泉の国でにわかに日が暮れ、大雨が降り出し、乗馬も倒れて途方にくれる。そこへ老宮守(シテ)が左手に傘、右手に松明をかざして現われ、ワキ座の貫之と問答になる。老宮守は「蟻通明神の神域に馬を乗り入れたとがめであろう。貫之ならば和歌を詠じて神慮を慰めよ」とすすめる。貫之が「雨雲のたち重なりて暗き夜なれば ありとほしとも思ふべきかは」との歌を詠ずると、老宮守は貫之の詠歌の心に感じて明神が仮に姿を見せたものと告げ、鳥居の笠木に隠れるように姿を消す。
十返舎一九もどきに蟻の道 大堀柊花
蟻(あり)蟄(あなごもり)蟻封(ぎほう)蟻通(ありどおし)笠木(かさぎ)
蟻の道まことしやかに曲りたる 阿波野青畝
「俳諧歳時記」に、
夏盛んに出でて食を貯へ、冬は蟄居せる小昆虫。小なるは一二分、大なるは七八分、黒きあり、赤きあり、朽木又は土中に巣を営みて群棲す。雌雄は生殖に際し、二対の翅を生じて飛び、空中に交尾す。
とある。
また「和漢三才図会」に、
蟻は君臣の義をもっている。それで字は義と書く。大小、黒・白。黄・赤の数種あって、穴居して卵生する。その居所には階級による差があり、行くときは隊列をつくる。よく雨を予知する。春に出てきて冬蟄する。そのときは土を塞いで封をする。これを蟻封という。
とある。
身辺で社会的な生活を営むためか、アリには昆虫では珍しく、人間との類同性を説いた伝承が多い。その顕著な例は、アリが最初の人間になったというもので、北アメリカのインディアン、ポピ族では、最初の人間はアリであったと信じ、アパッチ族はナバホ族をアリ人間とよんでいる。
アリは物事を予知して行動するとして、その動きを何かの前兆とみる風習も多い。日本ではアリが闘うと雨が降るといい、アイヌ族では大きな黒いアリが多くみられるのを凶年の前兆とする。
さて、能に「蟻通」(世阿弥)がある。
和歌の神のおわす住吉、玉津島への参詣の途上、紀貫之(ワキ)と従者(ワキツレ)は、和泉の国でにわかに日が暮れ、大雨が降り出し、乗馬も倒れて途方にくれる。そこへ老宮守(シテ)が左手に傘、右手に松明をかざして現われ、ワキ座の貫之と問答になる。老宮守は「蟻通明神の神域に馬を乗り入れたとがめであろう。貫之ならば和歌を詠じて神慮を慰めよ」とすすめる。貫之が「雨雲のたち重なりて暗き夜なれば ありとほしとも思ふべきかは」との歌を詠ずると、老宮守は貫之の詠歌の心に感じて明神が仮に姿を見せたものと告げ、鳥居の笠木に隠れるように姿を消す。
十返舎一九もどきに蟻の道 大堀柊花
蟻(あり)蟄(あなごもり)蟻封(ぎほう)蟻通(ありどおし)笠木(かさぎ)
PR
この記事にコメントする