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のっけから濡れ衣の場や初芝居
雪姫へ花明かりして初芝居
足で描く鼠は生きて初芝居
土蜘蛛の精せりあぐる初芝居
山桜散りつぐ別れ初芝居
拝殿の門松仰ぎ浅草寺
福笹のわが干支の絵馬揺れどほし
冬桜真っ盛りにて二天門
太陽を眩しがらせて龍の玉
上木の本のあれこ




    なまぬるき夕日をそこに龍の玉  岸田稚魚

   「ホトトギス新歳時記」に、
   龍の髯の実のことである。龍の髯あるいは蛇の髯は人家の雨垂れのするようなところに植えられ常に緑に茂っている。庭石に配してもよい。厳寒のころ、思いがけず碧いつぶらな実が日を返していたりする。石の上に落としたりすると、力を蔵しているように弾む。
  とある。
   蛇の髯はユリ科の常緑多年草。リュウノヒゲともいう。日本全土の平地や山林の樹陰内に自生し、民家の周辺にもよく集落する。晩秋から冬の間、碧黒い球形の実をつける。だが、実と見えるのは、じつは種子で、果皮が発達しないため裸出したものである。はずみ玉などと称して、子女の弄びものとする。葉を竜の髯に見立てたので、実を竜の玉と俗称している。
   竜の髯根は、一部分が紡錘状に肥大したところを集めて、麦門冬と称して薬用とする。解熱、鎮咳、去痰、強壮剤として百日咳、肺炎、肺結核、咳嗽、口渇、便秘などの治療に用いられる。

   さて、竜は想像上の動物である。胴体は蛇、頭には鹿のそれに似た角が二本あり、口のところに長いひげを生やし、背には八十一枚の堅い鱗をもち、四本の足にはそれぞれ五本の指を備えた巨大な爬虫類として描かれる。
   中国では、古来鱗虫の長とされ、麟、鳳、亀とともに四瑞の一つとして神霊視された。仏教では八大竜王といって八種の竜王がいるが、そのなかの娑伽羅竜王が海や雨をつかさどるとされることから、航海の守護神や雨乞いの神として信仰される。わが国の民間で、雨乞い祭りの際に、竜が住むという池の水を用いたり、またその池で行われたりするのは、この信仰と同一である。
   竜はまた雷神ともかかわりが深い。竜は中空を飛行して雨や雲をおこしたり、蛇の形をした稲妻を放つとされる。「竜天に昇る」ということばは、聖人が天子につくことや英雄の華やかな活躍のたとえに用いられるが、まさに竜が天に昇るような勢いの謂いであろう。

    昇天の龍の落とせし玉ならむ  大堀柊花

   麦門冬(ばくもんとう)咳嗽(がいそう)麟(りん)鳳(ほう)亀(き)

   瑞(ずい) 娑伽羅(じゃがら)謂(いい)弄び(あそび)

れ去年今年
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初東風に渡り初めたる太鼓橋
筆塚へさし出て白き臥龍梅
射的屋に人まだ寄らず初天神
紅白の神籤を花と初天神
水仙の思案にあまる水鏡
青鷺のひと声放つ寒日和
大寒の塩まみれなるお犬さま
天神に棲みて早くもうかれ猫
血の滲むほどに打たれて寒稽古
若水にまるで匂ひのあるごとく
湯豆腐

   湯豆腐やいのちのはてのうすあかり  久保田万太郎

   「俳諧歳時記」に
    豆腐を一寸角位に切ったものを鍋に入れて温まったものを「だし」を加へた醤油
   汁につけて食うふのである。湯豆腐鍋といって楽焼で共蓋のついた土鍋がある。焜
   炉の上に掛け得られる大きさで醤油汁の容器も鍋の中に浸して温められるやうな仕
   掛けになったものである。鍋には板昆布をしいてだしを出す。醤油汁の中には味醂・
   鰹節・葱などを細かく刻んだものを入れ七味唐辛子などを加えることもある。また
   鍋の中には葱を入れたり菊菜などを入れて豆腐とともに温めて食ふところもある。
   長崎湯豆腐といって豆腐や蔬菜の外に鯛の頭のやうなものを入れて温めて前のやう
   な方法で食べるものもある。
   とある。
    豆腐は中国前漢の高祖の孫、准南王劉安が発明したという伝承があり、豆腐の異
   称を「准南」ともいう。その原料として、黒豆、黄豆、白豆、泥豆、緑豆があげら
   れている。しかし、実際は唐代に始まったとみられ、日本へは奈良時代に渡来した
   が、主として貴族階級や僧侶たちの間で用いられ、一般に広まったのは室町時代以
   降のようである。「庭訓往来」には、禅林の料理として豆腐羹、雪林菜がみえる。雪
   林菜は「きらず」のことで雪花菜とも書かれた。豆腐のことを女房詞で「かべ」「お
   かべ」「しらかべ」「しろ物」などとも言った。

    さて、久保田万太郎の短編に「末枯」(大六)がある。
    日本橋田所町の商家丁子屋の若旦那として早くから遊蕩の世界に身を投じた「鈴
    むらさん」は、家督を継いでからは、わけても落語家や講釈師をひいきにした。
    相場で失敗してからも意地を張り通したが、やがて店舗も失い、長年馴染んでき
    た芸妓小よしとも別れてからは、酒びたりの生活に落ち、ただ一つ残った深川の
    寮も売り、今は浅草の今戸に侘び住まいしながら、芸人仲間との交渉をせめても
    の心やりにしていた。芸人たちの目まぐるしい栄枯は、やがて「鈴むらさん」自
    身の運命にも通じていた。「末枯」は万太郎の出世作である。江戸伝来の気質を守
    る下町の商人や職人の世界は万太郎がその中で人と成った世界であった。

     湯豆腐の触れ合うて角そこなはず   大堀 柊花

冬柳吹かるる築地魚市場
日曜の波除け通り都鳥
美しく鮪捌いて鮪売る
手にのせて味見して買ふ神の留守
魚河岸に近き大寺親鸞忌
波除けのお歯黒獅子も留守の宮
冬の水音立てて吐く龍の口
魚河岸の大提灯も神無月
目貼して発禁本も眠らせる
酢茎売来ている京の河原町
つくづくとわが光陰を初鏡
あでやかな挨拶なりし福寿草
絵襖を曳くたび淑気立ちにけり
書初の色紙に天と地のありて
いと小さき鏡餅あり書架の上
初夢を当りさわりのなく話す
羽子板の五郎十郎背き合ひ
万両の実のつややかに五山かな
古き独楽新しき独楽相打てり
気の重き稿をすすめて日脚のぶ
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