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   みちのくの雪深ければ雪女郎  山口青邨

   「俳諧歳時記」に、
   雪深い山国ではかういふ妖怪味たっぷりの俗説があり得るのである。信州立山の奥、
  みちのく、蝦夷の国などではよくこれに関した説話が伝へられてゐる。若い美しい男が杣小屋で雪女郎に殺されたといふ話、又ある男は雪女と一緒にひと冬暮らしたといふ話。毎日しんしんと降る雪の中に生活してゐるものにとっては、かういふことはかなりの真実性をもってゐる。或る杣人は吹雪に襲はれて呼吸がつけなくなって死んだ、或る男は雪の中に一週間埋もれてゐて夢中で救はれた。かういふことがロマンチックに色づけされて、炉辺の語り草となって代々伝へられて来たのである。
  とある。
   雪女は雪の夜に現れるという女性姿の妖怪。雪女郎、雪おんば、雪降り婆などともいう。雪の印象から、肌が白いとか白衣を着ているなどの伝承が多い。喜多川歌麿の描く錦絵の雪女は美女の姿であるが、それは文芸的な発展の結果であって、むしろ老女や産死者の姿を考えている場合が多い。雪の降り積む夜に出るというほか、正月元日に降りてきて最初の卯の日に帰るという伝承がある。これは年神の降臨伝承と一致する。雪女から赤子を抱いてくれと頼まれ、引き受けた人は大力を授かるとか、逆に殺されるなどの話があり、その点は産女の伝承と一致する。吹雪の夜に宿を求める娘があり、泊めてやって翌朝みると、白衣の中に黄金があったという話は、「大歳の客」の昔話とも共通する。
   雪女は、雪害の恐ろしさや、雪中に閉じ込められた冬の閉塞状態を背景としている。

   さて、能に「雪」(作者不詳)がある。
   諸国一見の旅僧(ワキ)が攝津の野田までやってくると、にわかの雪となる。晴れ間を待つうちに、雪を頂いた作り物の中から「あら面白の雪の中やな」と吟ずる声が聞こえ、美しい女性(シテ)が現れて迷いを晴らしてほしいと訴える。僧は雪の精に成仏を勧め、女は袖を翻して月の光りに美しく舞い、明け方の光りの中に消える。
   このシテは雪女ではなく、風に翻る雪そのものであるところに能の主張がある。

   あり余る髪を束ねて雪女郎  大堀柊花

  産女(うぶめ)大歳(おおとし)雪女郎(ゆきぢよらう) 
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