忍者ブログ
カレンダー
06 2025/07 08
S M T W T F S
1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 31
フリーエリア
最新CM
[12/09 NONAME]
最新記事
最新TB
プロフィール
HN:
No Name Ninja
性別:
非公開
バーコード
ブログ内検索
最古記事
(09/03)
(09/03)
(09/25)
(09/25)
(10/31)
[65]  [64]  [63]  [62]  [61]  [60]  [59]  [58]  [57]  [56]  [55
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

 治聾酒の酔ふほどもなくさめにけり  村上 鬼城

   「俳諧歳時記」に、
   立春から五日目の戊の日を春の社日、春社といひ、この日に酒を飲むと聾が治るといふ言ひ伝へがあって、今でも農家などで、耳の遠い子供に酒を飲ませてゐるのをよく見受けることがある。その酒を治聾酒といふのであるが、酒は有合せのものでよく、別段治聾酒といふ特定の酒がある訳ではない。
  とある。
   社日は、春分・秋分に最も近い前後の戊の日。春の社日を春社、秋の社日を秋社という。たんに社日といえば春社のことで、秋社は秋の社日・後の社日といって区別する。社日は社の祭を営む日の意で、社とは中国で土地の守護神・ないしは部族の守護神・またはその祭祀をいった。
   中国から伝来した風習として、春の社日に酒を飲むと、聾がなおると伝えられ、これを治聾酒という。また、古く中国では、この日には必ず雨が降るといわれ、その雨を社翁といった。朝鮮では、上元の日に薬酒をのんで、耳がさとく、よい事をきくようにと祝う。これを耳明酒という。

   さて、落語に「棒屋」がある。
   どんな棒でもそろえてあるという棒屋、もしあつらえの棒がないときは、罰金を出すというので、町内の若い者が出かけて行く。びんぼうとか、泥棒とか、難題を吹っかけるが、いろいろ頓知をきかして出してくるので、いりもしないものを買わされてしまう。つんぼうを出してくれというと、金挺の柄にする、挺つんぼ、というカシの棒を出してくる。「金挺つんぼか、感心感心。じゃあ、このつんぼを五本もらって帰ろう」「つんぼはあまり仕入れませんので、それ一本きりしかございません」「ははあ、こんなものは売れが遠いので仕込まねえのか」「いいえ、耳が遠うございます」
  
   治聾酒をおもはずこぼす膝の上  大堀 柊花

  治聾酒(ぢろうしゅ)戊(つちのえ)社日(しゃにち)社翁(しゃおう)
  耳明酒(じめいしゅ)棒屋(ぼうや)金挺(かなてこ)
PR
この記事にコメントする
お名前
タイトル
文字色
メールアドレス
URL
コメント
パスワード   Vodafone絵文字 i-mode絵文字 Ezweb絵文字
この記事へのトラックバック
この記事にトラックバックする:
<< 皇居の梅 | HOME | 初景色 >>
Copyright(C) No Name Ninja All Rights Reserved.  | 忍者ブログ * [PR]
 |  blogdesigned by 物見遊山