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  百合

    起ち上る風の百合あり草の中  松本たかし

   「花の大歳時記」に、
   ユリ科の宿根多年草本。世界中に自生し百種に近い。日本には十数種あり、ユリ王国といっていい。食用または観賞用によく栽培されオニユリ・ヤマユリ・ヒメユリなどが代表的なもの。この国の詩歌の素材としても古くより尊重され「万葉集」の「道の辺の草深百合の花咲に 咲まししからに妻といふべしや」など数多く詠われている。その容姿芳香を市井では「歩む姿は百合の花」と擬人化して楽しんだりする。歌人の山川登美子は百合の白さに沈湎して、「白百合の君」と呼ばれたりした。
  とある。
   中国ではユリは薬として扱われ、すでに「神農本草経」に滋養強壮の働きが載る。
   日本では上代から花が観賞された。「万葉集」には十首詠まれている。百合は室内で飾られた記録の残る日本最初の花で、宴の席で頭に巻かれた。大伴家持が「あぶら火の光に見ゆるわが蘰 小百合の花の笑まはしきかも」と歌っている。ユリは神事にも使われ、奈良市の率川神社で開かれる六月十七日の三枝祭には、ササユリを手にした巫女がササユリを供えた神前で舞う。

   さて、随筆に「ユリの文化史」(林達夫)がある。
   西洋では、ユリはキリスト教の最も愛好する花である。ギリシャ神話風に、ユリはアダム、イヴが楽園から追放されたとき、イヴが悔恨にくれて、その流した涙から生じたとする言い伝えがある。ユリは常に「純潔」「清浄」「無垢」の表象であり、だからキリスト教美術では、例えば「受胎告知」の図では、天使ガブリエルがユリの花を持ってマリアの前に顕われたり、その花が膝まづいて祈りをささげる彼女の前に花瓶に挿して置いてあったりする。マリアの夫、聖ヨセフが手に一枝のユリを持っている絵があるが、これもその妻が童貞であることを示すための図柄であろう。そんなわけで、マリアのみならず、多くの聖者の行跡を物語る画面に、この純潔をかたどる白い花がしきりにあらわれて来るのである。

   背徳のかをり山百合手折りけり  大堀 柊花

  百合(ゆり)花咲(はなゑみ)市井(しせい)沈湎(ちんめん)蘰(かずら)
  率川(いさかわ)三枝(さいぐさ)咲まし(ゑまし)
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