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 老鶯

    老鶯や珠のごとくに一湖あり  富安 風生

   「栞草」に、
   老鶯とはもとより漢家の詩に出て、或は狂鶯とも乱鶯とも、すべて暮春の物なれども、残鶯は勿論にて、老鶯も夏の名となさば鶯に老の感情ありて、風雅は例のさびしみといはん。
  とある。
   また「俳諧歳時記」に、
   鶯は二三月より鳴き始め、夏に至ればその声次第に生気に乏しくなり来る、これを老いたりとなし、老鶯といふ。古き書に、老鶯とはもと漢家の詩に出で、或は狂鶯とも乱鶯ともすとあれど、こは鶯を春のものとして時期外れの意ならん、声は夏季に入りたりとも鶯は声の狂ひ乱るるものにあらず。春よりは生気乏しくなれど、調子は寧ろ流暢となるものなり。されど鶯の附子とて、その声を学ばしむるも仲夏よりとす。
  とある。
   鶯は、鳥鋼スズメ目ヒタキ科ウグイス亜科の鳥。梅の花が咲くころ人里近くで鳴き始めることから、春告鳥ともよばれている。秋から春にかけては平地や低い山で過ごし、笹鳴きをしながらやぶを伝っていくので、この頃の鶯を藪鶯ということがある。

   さて、随筆に「夏鶯」(長谷川時雨)がある。
   おやおや、もう時候は青くなるといふのにー初夏鶯のおとづれだと笑ひはしたが、よく来てくれたと思った。去年の秋の暴風雨で崖くづれや大樹の倒れたのが多かったので、鶯の宿も失はれでもしたのかと、日々忘失の、気ぜはしいながらも、時をり気にしてゐたのだが、今日になって訪れて来やうとは思ひがけないのであった。二三年前まではまだ片言のやうな、ケキョ、ケキョであったこの藪鶯も、今年はなかなか老成してきて、御無沙汰を申しわけないやうに、終日家の廻りで惜しみなくゆく春をうたってゐる。鶯の顔見知りといふとをかしいが、見だてのない、むくむくした黒っぽい、まだ鳴かない時分から、縁のきはまで水を飲みに来た馴染なので、鶯の方でも覚えてでもゐるのであらう。

   老鶯や彦の山なる稚児落し  大堀 柊花
  
 老鶯(おいうぐひす)漢家(かんか)出て(いでて)初夏(なつ)附子(つけこ)
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