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   蝸牛

   文七にふまるな庭のかたつぶり   其角

   「俳諧歳時記」に
   夏の日、湿気に乗じて草木に登り、雨露を舐め、新葉を食う。晴るれば葉の蔭に隠
  るる。渦巻形の殻を負うて這へる虫。殻は、はじき貝に似て色淡黄なるを普通とすれ
  ど、種々あり。行く時は殻を負う。身はなめくじに似て角の如き眼を出して振り歩く。
  とある。
  「和漢三才図会」に
   形は小さい田螺に似ていて白色。頭の形は蛞蝓に似ている。ただし背に殻を負うて
  いる。頭に四つの黒い角があり、進むときは頭をだす。驚いたときは首、尾ともにち
  じんで殻の中に入る。角があって牛のようなので、名前に牛の字がついている。
   世界に約二万種が棲み、学術上ではマイマイというがこれは「巻き巻き」の意味で
  ある。また、でんでんむしの異名もあるが、これは「角よ出い出い」の意の「ででむ
  むし」から転じたといわれる。


   さて、三遊亭円朝の人情噺を榎戸賢治が脚色した「人情噺文七元結」(明治三十五初)
  がある。
   本所割下水に住む左官の長兵衛は、腕はいいが博打が好き。今日も裸同然の姿に
  なって貧乏長屋に帰ってくると女房のお兼が、娘お久がいなくなったと騒いでいる。
  そこへ吉原の大店角海老から使いが来て、お久が一人で女将を訪ねてきたという。着
  るものもなく女房の着物をはぎとって身につけた長兵衛が、使いとともに角海老へ行
  くと、お久がしょんぼりと坐っていた。さすがの長兵衛もお久の孝心に涙を流し、酒
  と博打を絶つと約束して、女将は長兵衛に百両の金を貸す。その帰りに長兵衛は大川
  端で主家の金百両をなくして身投げしようとしていた手代文七に出会い、大切な百両
  をやってしまう。家に帰って大騒ぎのところへ、文七が主人を同道、昨夜の礼を言い
  に来た。失ったと思った金は、その家へ忘れて来たのであった。主人はお久を請け出
  し文七と夫婦にしたいという。

   ねむたくて殻を曇らす蝸牛   鷹羽 狩行

  大店(おおだな)角海老(かどえび)

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