俳句
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鱵
鱵見る浮桟橋に手をついて 西山 小鼓子
「和漢三才図会」に、
真鱵魚と名づけるものは身は七、八寸で、下喙は三寸ばかりで鉄針のように黒く光り、上喙は一寸ばかりで尖っていて剣のようである。身体は丸く形は梭子魚に似ているが、頭は小さくて微赤色を帯びている。眼は大きく腹は白い。鱗は極めて細かく骨は黒色。肉は潔白で味は甘淡で膾にすると最もよい。
とある。
また「たべもの語辞典」に、
針魚は、細魚・竹魚・鱵などと書く。古くは「よろず」または「はりを」という。越前でサイヨリ、薩摩で長イワシなどの名がある。サヨリのサは、サワ(多)で、ヨリは寄である。多く寄ってくる魚だからサヨリと名づけたという。古くは「よろづ」とよんでいるのは、よろしという意である。サは直、まっすぐという意にもとれる。まっすぐでよろしき魚というわけである。
とある。
サヨリは硬骨魚綱ダツ目サヨリ科に属する海水魚。サヨリの語源は、沢に多く寄り集まるという説と、体が狭くて群集性があるという説とがある。日本各地および樺太、朝鮮半島、台湾に分布する。
下あごの先の紅色の鮮やかなものほど新鮮である。脂肪は多いが白身の淡白な味で、酸味の料理がとくによくあう。春から秋にかけてが美味。
さて、川端康成の小説に「針と硝子と霧」がある。針のところを抜粋してみる。
郵便箱に封筒が投げ入れられた。いつもの様に朝子は直ぐ立って行った。封筒の中の油紙には新しい縫針が五十本ばかり綺麗に並べて刺してあった。彼女は心臓が止まった。
針は針屋の押売りであった。近日店員をうかがはせますから、御不用ならばその節お返し下さい。と書いてある。
夫の羽織を縫ひ上げたのは、たしか五日前だけど、針がついてゐないか、よく調べたかしら。あの女が夫の羽織をたたんで、手に針がささったら、ああ、私の嫉妬だと思はれるにきまってゐる。
美しき鱵の針を火炙りに 大堀 柊花
鱵(さより)真鱵魚(まさより)喙(くちばし)梭子魚(かます)
膾(なます)針魚(さより)
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