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領巾のごと鰭そよがせて熱帯魚
アマゾンの水を恋しと熱帯魚
見よかしと尾鰭かざして熱帯魚
翅のやうなる鰭そよぎ熱帯魚
墨染のやうな鰭振り天使魚
ゆきずりにふと流し目の天使魚
その中の黒き海月を哀れとも
ピラニアの歯のひとならびして涼し
老いらくの恋やしきりに百合匂ひ
潮風に日除け赤茶け佃煮屋
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 翡翠

    はっきりと翡翠色にとびにけり  中村草田男

   「俳諧歳時記」に、
羽色翡翠石に似て美はしき鳥。古くは、そび。別の名、せうびん。俗に、ひすゐとも云へり。雀より稍大きく、頭に青斑ありて、背は緑青、翅は浅黄を雑ふ。腹赤褐にして、尾・脚短かけれど、嘴は体に比較して甚大なり。常に静かなる河辺に棲みて、水をも潜り、魚の浮ぶを窺ひて捕ること巧みなり。四季を通じて見る鳥なれど、夏期最も活躍す。
  とある。
   カワセミは広義には鳥鋼ブッポウソウ目カワセミ科に属する鳥の総称で、狭義にはそのうちの一種をさす。大形のものはショウビンともよばれる。この科の鳥は、南極大陸を除くすべての大陸に広く分布し、世界で十四属九十種が知られている。
   日本では、カワセミ、ヤマセミ、アカショウビン、ヤマショウビン、ナンヨウショウビン、ミヤコショウビンの六種が記録されている。この科の鳥は全長十四~四十センチ、体に比べて頭が大きく、嘴は太くて長く、先がとがっている。水辺にすみ、魚を捕食するものが多いが、草原や森林にすみ、カエル、カニ、カタツムリなどを食べる種もある。緑色の宝石翡翠の名は、このカワセミの色に由来するものと思われる。

   さて、陶磁器の秞の一種に、「翡翠秞」がある。別名を孔雀秞、青秞ともいう。炭酸銅を呈色剤に用いた低火度秞で、明るい青緑色を呈し、透明性が深く、細かな貫入が現れる。十一世紀ごろにイスラム圏で発明され、そのトルコ・ブルーの秞色が一世を風靡したのち中国に伝わり、明代前期の十四世紀末には華北の窯で始められた。十六世紀初頭の正徳年間(一五〇六~二二)には江南の景徳鎮窯でも開発されて法花とよばれる三彩秞の一秞となり、華北の慈州窯では白秞地にさらにこの翡翠秞が施されて一時期流行した。西洋に輸出されてキングフィシャー・ブルーとよばれたが、日本では江戸後期に中国陶磁に倣って試みられている。

   翡翠の来るにほどよき枝の張り  大堀 柊花

  翡翠(かはせみ)秞(うわぐすり)翡翠秞(ひすいゆう)貫入(かんにゅう)
  明(みん)景徳鎮窯(けいとくちんよう)法花(ほうか)呈色(ていしょく)

雪吊の松の小ぶりに芝離宮
梅固し孤影それぞれ長くひき
くれないの蕾をあまた梅林
梅林へときに桟橋よりの風
薄氷を頭突きのさまに鯉浮ける
この池を西湖と見立て水温む
蓬莱と名付けて島の春浅し
紅椿落ちむとせしが石の上
身ほとりに小さな詩集春立てり
かまくらを出てかまくらへ星の夜
  かまくら

   かまくらに重ね敷きたる粗莚  市村不先

   「ホトトギス新歳時記」に、
   秋田県横手地方では、二月十五日にかまくらと呼ばれる雪洞を作り、子供の行事が行われる。二メートル四方くらいの雪の中に茣蓙などを敷き、その正面にオスズの神と呼ばれる水神を祀り、灯明を点し、供物をする。子供たちは雪洞内の火鉢を囲み、餅を焼いて食べたり、甘酒を温めて飲んだり、また通る人にもふるまったりする。古くは小正月(一月十五日)の晩の行事であった。
  とある。
   かまくらは秋田県に行われる小正月行事の一つ。横手市のものは雪洞に祭壇を設けて幣を立て、灯明をともして水神を祀る。かまくらという名称は、囲み、固めたこの雪洞の形からの命名で竈や釜、あるいは地形名として各地にある「かま」や「かまくら」と同類のものである。神奈川県鎌倉市も同様の地形地名であるにすぎず、秋田の「かまくら」を鎌倉幕府や鎌倉権五郎と関係づけようとするのは、後世のこじつけである。

   さて、釜はカナエ(鼎)が訛ったもので、古くはマロガナエ(円鼎)ともいい、すでに奈良時代に製作されていた。もともとは湯を沸かすためのもので、以前は飯を蒸すには甑が、飯を炊くにはもっぱら鍋が使用されていた。
   釜に関する俗信や習俗も多くみられるが、古く「拾芥抄」に、釜から発する「釜鳴り」によって吉凶を占う風習がみられる。また古くからの俗説に、地獄で罪人を煮るという地獄の釜は、盆と正月の十六日に限り蓋をあけ、罪人を許すと信じられ、群馬県多野郡では、盆の十六日を「釜の口開」とよび、茨城県新治郡では旧七月一日を「釜蓋開」とよんでいる。九州北部には、結婚の当日、花嫁の頭に釜の蓋をかぶせる「釜蓋被」の習俗などもみられる。

   かまくらへ雪小止みなき横手かな  大堀柊花

  雪洞(ゆきあな)竈(かま)釜(かま)
  甑(こしき)拾芥抄(しゅうかいしょう)釜蓋開(かまぶたあき)
  釜蓋被(かまぶたかぶせ)

わが書架の江戸歳時記へ初明り
それぞれの胸のふくらみ初雀
弁天は琵琶を大事に宝船
心眼といふは開かず福笑
金屏の影を大きく舞始
御祝儀を鍋もて受くる猿廻し
紅刷いて余所ゆきの顔小正月
花散らしてふ京の菓子春隣
庭石に庭木かしづき寒の入
横浜の港が見えて冬薔薇
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