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蛇穴を出づ
蛇穴を出て見れば周の天下なり 高濱 虚子
「ホトトギス新歳時記」に、
冬の間、土の中に眠っていた蛇も春暖とともに穴を出て姿を現す。蛇は気味の悪いものだが、穴を出たばかりの蛇をちょっと見かけるのはそう悪いものではない。
とある。
ヘビのように人間と特殊な関係をもっている動物は少ない。日本でも古代から、山の神、水の神、雷神としてのヘビの信仰が伝えられており、記紀には八岐大蛇についての物語や、大和の御諸山の祭神大物主命が蛇体であったことが記されている。
「倭名鈔」に、ヘミ、クチナハ、ヲロチ、カラスへミ、ニシキへミなどの異名が掲げられているように、古くはヘミとよばれた。
ヘビについての昔話や伝説は全国各地に語られている。昔話には、ヘビが人間の婿あるいは女房の姿となって結婚し、最後に幸福に終るという「蛇婿入り」「蛇女房」などがあり、和歌山県の道成寺縁起として知られる「安珍清姫」のように、人が執念のあげく蛇体になるという伝説もある。
さて、随筆に「幽草」(長谷川時雨)がある。
母は大変な蛇ぎらいだった。先日も、母が御飯を食べてゐる前で話をしてゐると、給仕の少女がアッと叫んだ。叫ばなければ気がつかなかったのであらうに、見ると庭前を、軒の楓からおちた小蛇が紫陽花の葉かげに隠れ込むところであった。母は大騒ぎで男たちの名を呼んだが、誰も答へるものがなかったので、私に細いステッキを渡した。好い気持ではなかったが、母の気持ちをやすめるため、下におりた私は、冷汗を掻き、舌がすっぱかった。紫陽花の葉をわけて見ると、小蛇は此方から向うの枝へ渡ってゐたが、するするといかにも柔かく自然に、なんの苦渋もなしにー蛇といふ生物が逃げようとして自分の体をひきずるのだといふふうには、とても思へないように、尾の方が向うの枝へ移って巻付いた。その微妙さー桶の中で洗ってゐる素麺が指の間を辷って行くようなーそんなものではなかった。生きてゐて、しかもなめらかに、寧ろ音楽的にとも言へる気がした。
蛇穴を出てまぎれなき女人かな 大堀 柊花
八岐大蛇(やまたのおろち)御諸(みもろ)大物主命(おおものぬしのみこと
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