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    引かで鳴る夜の鳴子の淋しさよ  夏目漱石

   「俳諧歳時記」に、
   板の方尺許なるに、竹を短く伐りたるを糸にて貫き吊るしたるものにして、竹棹の先につけて田畑に立て、それより長く縄を家又は樹木などに引き渡し、折々その縄を引けば、竹管と板と相触れて鳴る。その音からからと遠くにも響きて鳥獣を脅かし追ふことを得るものなり。鳴竿は棹の先に鳴子をつけたるをいひ、引板は板を並べ重ねて縄を引けば鳴るやうに仕掛けたるもの、是亦鹿などを驚かすなり。
  とある。
   鳴子は農作物を荒らす鳥を、音響で追う仕掛け。かかしの一種。小さな竹筒を数本板にぶら下げ、それに綱をつけ田の中に設置しておく。鳥がくるとその綱を引いてカタコトと音をさせ鳥を追い払う。これをヒタ、トリオドシ、ガラガラなどという。同じ仕掛けのものをナルサオといって竿につけたものもある。これは人が手に持って鳥を追うものである。古く「更級日記」に「田といふもののひた引き鳴らす音など」と書かれている。

   さて、狂言に「鳴子」がある。
   田を荒らす群鳥を追いに行くよう主人に命じられた太郎冠者と次郎冠者は、山の田に着き、鳴子縄を稲木に結び、「ホウホウ」と掛け声をかけながら鳴子を打ち鳴らす。そこへ主人が酒樽を持って慰労にき、日が暮れたら戻れといって帰る。さっそく酒宴を始めた二人は、小歌をうたい、鳴子を引きながら舞い興じるうちに寝込んでしまう。あまり帰りが遅いので迎えにきた主人が二人の酔態をみつけ、揺り起こして追い込む。鳴子を打ち鳴らしながら二人がうたう、引くもの尽くしや名所尽くしの謡を聞くうちに、舞台いっぱいに実り豊かな田園風景が広がる、叙情味たっぷりの秋の名曲である。

    板鳴子逃げしは一茶雀かも  大堀柊花

  鳴子(なるこ)鳴竿(なるさを)稲木(いなぎ)




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