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江東の水路に沿うて萩の寺
咲き初めてはやも散りたき萩の揺れ
紅萩のしだれ余りて裳裾ひく
まんじゅしゃげ隠れ貌して出でにけり
癇癪の弾けしかこの曼珠沙華
底紅や川の向かうの相撲部屋
邯鄲の身を細うして鳴きにけり
遠吠えのやがて静まり夜食かな
秋の夜や奈落にひとつ灯がともり
仮の世の仮初めのこと竹の春
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    月の出の邯鄲の闇うすれつつ  大野 林火 
 
   「俳諧歳時記」に、
   直翅類蟋蟀科に属する昆虫、体長四分五厘位。色は帯緑浅黄褐色にて、触角甚だ長く、体長の三倍近くあり。松虫に似て狭小なり。鳴声フヒヨロ、フヒヨロと幽艶なり、終夜綿々としてやまず。此虫近時籠に飼はるる事多く鳴虫界の流行児たるの観あり。
  とある。
   また「ホトトギス新歳時記」に、
   体長・五センチくらい、淡い黄緑色で、体の三倍ぐらいの長い触角を持っている。鳴き方は古来いろいろにいわれているようであるが、ル、ル、ルと聞こえる美しい声で鳴く。
  とある。
   カンタンは昆虫鋼直翅目コオロギ上科カンタン科に属する昆虫。淡い黄緑色ないし黄褐色を帯びた、平たい中形のコオロギ。秋の鳴く虫の代表種である。
   日本全土、朝鮮半島、樺太沿岸州などに分布する。平地から山地にかけて生息する。

   さて、能に「邯鄲」(作者不詳)がある。
   邯鄲の宿の女主(アイ)が枕を持って登場し、昔、仙術を行う人から宿代に枕をもらったが、これで寝ると悟りが開けるという。盧生(シテ)が蜀の国から楚の国羊飛山に住む聖僧に道の大事を学ぶための道すがら、邯鄲の里に着く。盧生がただ茫然と明し暮していた事をのべると、女主は自分の持っている不思議な枕で寝てみてはどうか、その間に粟の飯を作ってあげようという。盧生はその言葉にしたがって横臥する。夢中の場となり、勅使(ワキ)が輿舁を従えて登場、「申すべきことあり」と盧生をおこし、、楚国の王位を継ぐべき勅定を伝え、盧生を王宮に案内する。即位して、玉座についた廬生の前に、舞童、侍臣一同が侍る。王宮の栄華のさまが謡われ、やがて即位五十年になる事を告げられ、さらに寿命をと侍臣が仙薬を奉る。
   やがて舞童も侍臣も去り、廬生はもとの形に横臥する。そのとき、粟飯が出来たことが告げられる。
                                         
邯鄲の優雅な髭をもてあます  大堀 柊花
                  
邯鄲(かんたん)廬生(ろせい)羊飛(ようひ)輿舁(こしかき)舞童(まいわらべ)

深川の降りみ降らずみ秋祭
水上バス祭の橋をくぐりゆき
たっぷりと待たせ深川神輿くる
豪勢な深川ぶりの祭寄付
橋重るほどや神輿の渡りつぎ
高々と掲げ平泉の神輿
手古舞の過ぎて色なき祭かな
描くものどれも淡くて秋暑し
雀らの歪みて飛べる初嵐
ブラジルは遠き国かな花カンナ
 深川の祭に葛西囃子かな  深川正一郎

   「栞草」に、
   江戸城南深川にあり。寛永元年、長感法師、霊夢のことありて、永代島に宮居を建立し、同八年成就す。深川の土人、本居神とす。祭礼八月十五日、放生会あり。
  とある。
   「年中行事辞典」に、
   深川八幡神社の祭。もと八月の放生会として行われたもので、江戸時代には名月を背景に、初秋の下町を湧きたたせた情緒深い祭として、夏の山王祭・三社祭などとともに有名であった。現在、神輿渡御のほかに芸妓の手古舞や鳶職の木遣節などが行われて、江戸の辰巳情緒をわずかながら味わうことができる。
  とある。
   深川八幡宮は富岡八幡ともいう。祭神は誉田別命に天照大神ほか三柱を配祀する。天平宝字年間(七五七~七六五)の創建と伝えるが、「江戸名所図会」には源三位頼政が尊崇した神像を千葉・足利両氏が伝え、のち太田道灌の守護神になるという。寛永四年(一六二七)に永代島に再建、江戸下町の繁盛につれてとくに深川木場の尊崇をあつめる。深川祭は八月十五日とその前夜を含む四日間行われる。

   さて、宇野信夫の作に「巷談宵宮雨」(昭和十初)がある。
   深川黒江町寺門前に住む遊び人太十の家に女犯の罪で晒者になった伯父龍達がころがりこむ。太十は龍達から預かった娘のおとらを無理やり妾奉公に出して金にするような男。また、元妙蓮寺の住職でもある龍達も女たらしの強慾者で、用心のため寺に隠し埋めておいた百両を太十に掘り出させる。命がけで働いた太十に、龍達の礼金はたった二両。怒った太十は鼠取りの石見銀山で龍達を毒殺、死体を川へ放り込むがそこは、丁度その夜、妾奉公を嫌ったおとらが身投げした場所。
   深川の裏町に住む太十夫婦をはじめ、その隣の早桶屋、石見銀山という鼠取りの薬を売り歩く男など江戸のしがない暮しと庶民の姿が巧みに描写されている。

    鳳凰へ水のはなむけ深川祭  大堀柊花

  深川祭(ふかがはまつり)本居神(うぶすな)誉田別命(ほむだわけのみこと)
  天照大神(あまてらすおおみかみ)巷談宵宮雨(こうだんよみやのあめ) 
高きへと道玄坂を登りけり
色変へぬ松を遠見の能楽堂
うそ寒や春信描く見立ての図
冷まじやぬっと写楽の大首絵
水澄みてあうむ返しに鳥の声
秋深む水車は水をこぼしつつ
秋まつり山ふところに幟立ち
学僧の掟厳しや新松子
なまなかに闇夜のつづき月夜茸
天高し背中まるめてロダン像
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