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さみだれや上りつめたる不老門
不老門ぬけて涼しき法の風
真言の庇隠るるほど茂り
お茶室も水屋も暗き若葉寺
若楓明りに濡れて露地の石
金堂のいたく傷みて青葉寺 
睡蓮にほのと紅さす法の池
金色の鯉を先導して緋鯉
ステップを踏み違へしか踊子草
ゆきつけのパン屋をのぞき街薄暑
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さみだれや上りつめたる不老門
不老門ぬけて涼しき法の風
真言の庇隠るるほど茂り
お茶室も水屋も暗き若葉寺
若楓明りに濡れて露地の石
金堂のいたく傷みて青葉寺 
睡蓮にほのと紅さす法の池
金色の鯉を先導して緋鯉
ステップを踏み違へしか踊子草
ゆきつけのパン屋をのぞき街薄暑
   踊子草

   踊子草花のさかりも葉がちにて   島谷 征良

   「俳諧歳時記」に
   山野の湿地を好みて生ずる多年草。茎は方形をなして高さ一二尺、葉は卵状心臓形
  先尖りて粗き鋸歯あり、長き葉柄を持ちて対生す。花は上部葉腋に開く、色は普通 
  は淡紫色なれども時に白色。晩春、初夏を開花期とす。花の形、あたかも踊子の笠を
  かむりて踊る状に似たるより名あり。
  とある。
   踊子草は、シソ科の多年草。茎は方形で直立し高さ三十~四十糎。山野の道端や藪
  蔭に群生し、日本、朝鮮、中国、樺太に分布する。オドリコソウ属は世界に約四十種
  あり、ユーラシア、アフリカに分布する。また、帰化植物として、ヒメオドリコソウ
  がある。

   さて、森鴎外の短編小説に「舞姫」がある。母一人、子一人の秀才太田豊太郎は選
  ばれてドイツに留学、自由な雰囲気に触れて近代的自我に目覚めた。官長への抵抗
  精神がめばえ、そのころ踊子のエリス・ワイゲルとが父の葬式を出す費用がなく困苦
  しているのを救ったことから両者の仲がねんごろとなった。二人の関係は清白であっ
  たが、讒言にあって免職となった。豊太郎の出世にすべてを托していた母の諌死もあ
  り、異境で孤独となった豊太郎はエリスと同棲生活に入った。親友相沢謙吉のはから
  いで通信員の仕事を得て生活していたが、相沢が随行してドイツに来た天方伯に知ら
  れ重く用いられた。相沢は豊太郎をエリスから引き離し、豊太郎は狂人となったエリ
  スをドイツに残し、天方伯に随って帰国する。
   この小説は鴎外の文壇処女作であり、清新なエキゾテイシズムと典雅な和文体が、
  当時の若き読者を魅惑した。

   木洩れ日へ爪立ちしては踊子草   大堀柊花
  百合

    起ち上る風の百合あり草の中  松本たかし

   「花の大歳時記」に、
   ユリ科の宿根多年草本。世界中に自生し百種に近い。日本には十数種あり、ユリ王国といっていい。食用または観賞用によく栽培されオニユリ・ヤマユリ・ヒメユリなどが代表的なもの。この国の詩歌の素材としても古くより尊重され「万葉集」の「道の辺の草深百合の花咲に 咲まししからに妻といふべしや」など数多く詠われている。その容姿芳香を市井では「歩む姿は百合の花」と擬人化して楽しんだりする。歌人の山川登美子は百合の白さに沈湎して、「白百合の君」と呼ばれたりした。
  とある。
   中国ではユリは薬として扱われ、すでに「神農本草経」に滋養強壮の働きが載る。
   日本では上代から花が観賞された。「万葉集」には十首詠まれている。百合は室内で飾られた記録の残る日本最初の花で、宴の席で頭に巻かれた。大伴家持が「あぶら火の光に見ゆるわが蘰 小百合の花の笑まはしきかも」と歌っている。ユリは神事にも使われ、奈良市の率川神社で開かれる六月十七日の三枝祭には、ササユリを手にした巫女がササユリを供えた神前で舞う。

   さて、随筆に「ユリの文化史」(林達夫)がある。
   西洋では、ユリはキリスト教の最も愛好する花である。ギリシャ神話風に、ユリはアダム、イヴが楽園から追放されたとき、イヴが悔恨にくれて、その流した涙から生じたとする言い伝えがある。ユリは常に「純潔」「清浄」「無垢」の表象であり、だからキリスト教美術では、例えば「受胎告知」の図では、天使ガブリエルがユリの花を持ってマリアの前に顕われたり、その花が膝まづいて祈りをささげる彼女の前に花瓶に挿して置いてあったりする。マリアの夫、聖ヨセフが手に一枝のユリを持っている絵があるが、これもその妻が童貞であることを示すための図柄であろう。そんなわけで、マリアのみならず、多くの聖者の行跡を物語る画面に、この純潔をかたどる白い花がしきりにあらわれて来るのである。

   背徳のかをり山百合手折りけり  大堀 柊花

  百合(ゆり)花咲(はなゑみ)市井(しせい)沈湎(ちんめん)蘰(かずら)
  率川(いさかわ)三枝(さいぐさ)咲まし(ゑまし)
名園の奥のおくなる花菖蒲
遠目にも紫濃ゆき花菖蒲
八つ橋のなきが淋しき花菖蒲
照るとなく曇りもなくて花菖蒲
桃青の句碑を遠目に花菖蒲
水亭の人影うごき池涼し
鯉涼し池に映りし雲を割り
真白な額紫陽花に紅仄か
翡翠のゐさうな森の水車小屋
栗の花こぼれて仏足石の上
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