俳句
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蜘蛛の囲もまた美しき蘆花旧居
誰が袖にふれむか萩の走り咲き
迷執の果ての彩とも白あぢさゐ
未草いまだ目覚めず恒春園
隈笹の隈のおとろへ夏深し
花園の蝶の狂乱とどまらず
まどろめばわれに翅生えハンモック
君立てばくれなゐ褪せて百日紅
真っ白な雲ゆきすぎし青田かな
夜店立つ観音の灯を遠くみて
誰が袖にふれむか萩の走り咲き
迷執の果ての彩とも白あぢさゐ
未草いまだ目覚めず恒春園
隈笹の隈のおとろへ夏深し
花園の蝶の狂乱とどまらず
まどろめばわれに翅生えハンモック
君立てばくれなゐ褪せて百日紅
真っ白な雲ゆきすぎし青田かな
夜店立つ観音の灯を遠くみて
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女来と帯纏き出づる百日紅 石田 波郷
「俳諧歳時記」に、
観賞用として庭園に栽培され、高さ二丈余に達する。幹よく曲りくねり、樹皮滑らかにして光沢あり、猿も尚滑るといふ意より此名あり。又仲夏より秋まで咲き続くより「百日紅」とも称す。葉は卵形或は楕円、対生と互生とあり。夏日枝梢に皺縮ある紅色の花を簇り開く。稀には花白色のものあり、「百日白」と云はる。俗にこの樹の樹皮を摩擦すれば枝葉共に動揺すとて「くすぐりの木」とも云ふ。花言葉を「雄弁」とす。
とある。
さるすべりはミソハギ科の落葉高木で高さ五~一〇メートル。中国南部原産で、中国名は紫薇。七~九月、枝先の円錐花序に紅紫色、径三~四センチの六弁の花を開く。花が白色のシロサルスベリ、淡紫色のウスムラサキサルスベリもある。
日本には江戸時代に入っており、貝原益軒の「花譜」(元禄七)に初めて百日紅の名が出てくる。日本に野生するヒメシャラ、ナツツバキ、リョウブなども樹皮が似ているのでサルスベリとよばれる。
さて、赤星水竹居に「百日紅」(ホトトギス 昭和一〇)がある。
北国では百日紅のことを「笑ひ木」と云ふさうだが、私達の郷里でも百日紅のことを「こそぐりの木」と云って、この木のすべっこい肌をなでてやると、木がくすぐったくて笑ふやうに自然に動揺する。私達は子供の時分にそれが面白さに、百日紅を見ると足音も静かに歩いて木に近寄って行って、木の膚をそーっとなでてやる。すると天辺の枝の先が少しづつ揺れ出して、それから段々下の方の枝が動いて、お仕舞には幹までが動揺する様になる。それが人間のこそばゆがりやをくすぐってやる様に面白いので、百日紅さへ見れば直ぐ近寄って行って木の膚を撫でてやったものだ。それが子供の時ばかりでなく、老年になって江戸川に居る時分にもよく庭へ出ては此木の膚
を撫でてやった。
衿もとをくつろげ過ぐる百日紅 大堀 柊花
百日紅(さるすべり)簇り(むらがり)
「俳諧歳時記」に、
観賞用として庭園に栽培され、高さ二丈余に達する。幹よく曲りくねり、樹皮滑らかにして光沢あり、猿も尚滑るといふ意より此名あり。又仲夏より秋まで咲き続くより「百日紅」とも称す。葉は卵形或は楕円、対生と互生とあり。夏日枝梢に皺縮ある紅色の花を簇り開く。稀には花白色のものあり、「百日白」と云はる。俗にこの樹の樹皮を摩擦すれば枝葉共に動揺すとて「くすぐりの木」とも云ふ。花言葉を「雄弁」とす。
とある。
さるすべりはミソハギ科の落葉高木で高さ五~一〇メートル。中国南部原産で、中国名は紫薇。七~九月、枝先の円錐花序に紅紫色、径三~四センチの六弁の花を開く。花が白色のシロサルスベリ、淡紫色のウスムラサキサルスベリもある。
日本には江戸時代に入っており、貝原益軒の「花譜」(元禄七)に初めて百日紅の名が出てくる。日本に野生するヒメシャラ、ナツツバキ、リョウブなども樹皮が似ているのでサルスベリとよばれる。
さて、赤星水竹居に「百日紅」(ホトトギス 昭和一〇)がある。
北国では百日紅のことを「笑ひ木」と云ふさうだが、私達の郷里でも百日紅のことを「こそぐりの木」と云って、この木のすべっこい肌をなでてやると、木がくすぐったくて笑ふやうに自然に動揺する。私達は子供の時分にそれが面白さに、百日紅を見ると足音も静かに歩いて木に近寄って行って、木の膚をそーっとなでてやる。すると天辺の枝の先が少しづつ揺れ出して、それから段々下の方の枝が動いて、お仕舞には幹までが動揺する様になる。それが人間のこそばゆがりやをくすぐってやる様に面白いので、百日紅さへ見れば直ぐ近寄って行って木の膚を撫でてやったものだ。それが子供の時ばかりでなく、老年になって江戸川に居る時分にもよく庭へ出ては此木の膚
を撫でてやった。
衿もとをくつろげ過ぐる百日紅 大堀 柊花
百日紅(さるすべり)簇り(むらがり)
青々と川は流れて花茨
青葦やむかし川並住みし町
たもとほる釜屋の渡し梅雨晴間
橋ひとつふたつみつ過ぎ恋ボート
花梯梧水路と水路めぐり合ひ
あぢさゐの毬の怠惰に雨のひま
美しき脛を慕ひて蛭泳ぐ
存亡を賭けしたたかひ花石榴
愛されも嫌はれもせず蚯蚓這ふ
管弦のなき水のうへ蓮浮葉
青葦やむかし川並住みし町
たもとほる釜屋の渡し梅雨晴間
橋ひとつふたつみつ過ぎ恋ボート
花梯梧水路と水路めぐり合ひ
あぢさゐの毬の怠惰に雨のひま
美しき脛を慕ひて蛭泳ぐ
存亡を賭けしたたかひ花石榴
愛されも嫌はれもせず蚯蚓這ふ
管弦のなき水のうへ蓮浮葉
笛を吹く少年の像緑さす
別邸は坂がかりにて夏木立
釣人に木の花匂ふ薄暑かな
夏浅し水に差し出て臥竜松
図書館は改修工事しゅろの花
青葉木菟鳴きさうな森多佳子の忌
面影はむらさきにこそ鉄線花
杓をひく袂のかろき風炉点前
草笛を合図のごとく吹き鳴らし
法然は浄土門なり松落葉
別邸は坂がかりにて夏木立
釣人に木の花匂ふ薄暑かな
夏浅し水に差し出て臥竜松
図書館は改修工事しゅろの花
青葉木菟鳴きさうな森多佳子の忌
面影はむらさきにこそ鉄線花
杓をひく袂のかろき風炉点前
草笛を合図のごとく吹き鳴らし
法然は浄土門なり松落葉
花石榴久しう咲いて忘られし 正岡 子規
「花の大歳時記」に、
ザクロはペルシア地方原産のザクロ科の落葉高木。中国を経て日本へ渡来した。平安時代といわれ、「古今六帖」には「あしびきの山柘榴咲く」と歌われている。ザクロの語源は、石榴の漢音セキリュウの転じたものという。ザクロの実を食べるようになったのは江戸時代以降で、それまではもっぱら花を観賞したり果皮を薬用に供したりしていた。花は六月ごろに咲き、筒状で六弁。燃えるような真紅の花が夏空を、あるいは梅雨空を背景に咲き誇るのは、この季節の花としてまことにふさわしい。
とある。
右手にザクロを持つ鬼子母神像は、釈迦が訶梨帝母にザクロを与え、人の子のかわりにその実を食べよと戒めたという仏教説話が日本に伝わって、できあがった。このため、ザクロは人間の味がするとして、昔は好まれなかった。仏典には降魔の威力をもつとある。中国へは紀元前二世紀、張騫が西域から持ち帰ったと伝えられ、日本ではかって銅鏡を磨くのにこの果汁が用いられた。
新王国時代のエジプト、フェニキア、古代ローマなどでは神聖な植物とみなされ、ペルシャでは果実が王笏の頭部を飾り、ギリシャのロードス島では花が王室の紋章の一部に使われて権威の象徴とされた。
さて、随筆に「柘榴の花」(三好達治)がある。
万物の蒼々たる中に柘榴の花のかっと赤く咲きでたのを見ると、毎年のことだが、私はいつも一種名状しがたい感銘を覚える。
路傍などでこの花を見かけて眼を驚かせるその心持の中には、何か直接な生命の喜びとでもいふやうなものが、ともすればふさぎ勝ちな前後の気持を押しのけて、独自の逼り方で強く胸に逼ってくるのを私は覚える。それは眼を驚かせるといふよりも、直接心を驚かせるやうな色彩である。それは強烈でまた単純でありながら、何か精神的な高貴な性質を帯びた、あの艶やかな朱である。
若くして人は死にゆき花石榴 大堀 柊花
石榴の花(ざくろのはな)訶梨帝母(かりていも)張騫(ちょうけん)
逼り(せまり)王笏(おうし
「花の大歳時記」に、
ザクロはペルシア地方原産のザクロ科の落葉高木。中国を経て日本へ渡来した。平安時代といわれ、「古今六帖」には「あしびきの山柘榴咲く」と歌われている。ザクロの語源は、石榴の漢音セキリュウの転じたものという。ザクロの実を食べるようになったのは江戸時代以降で、それまではもっぱら花を観賞したり果皮を薬用に供したりしていた。花は六月ごろに咲き、筒状で六弁。燃えるような真紅の花が夏空を、あるいは梅雨空を背景に咲き誇るのは、この季節の花としてまことにふさわしい。
とある。
右手にザクロを持つ鬼子母神像は、釈迦が訶梨帝母にザクロを与え、人の子のかわりにその実を食べよと戒めたという仏教説話が日本に伝わって、できあがった。このため、ザクロは人間の味がするとして、昔は好まれなかった。仏典には降魔の威力をもつとある。中国へは紀元前二世紀、張騫が西域から持ち帰ったと伝えられ、日本ではかって銅鏡を磨くのにこの果汁が用いられた。
新王国時代のエジプト、フェニキア、古代ローマなどでは神聖な植物とみなされ、ペルシャでは果実が王笏の頭部を飾り、ギリシャのロードス島では花が王室の紋章の一部に使われて権威の象徴とされた。
さて、随筆に「柘榴の花」(三好達治)がある。
万物の蒼々たる中に柘榴の花のかっと赤く咲きでたのを見ると、毎年のことだが、私はいつも一種名状しがたい感銘を覚える。
路傍などでこの花を見かけて眼を驚かせるその心持の中には、何か直接な生命の喜びとでもいふやうなものが、ともすればふさぎ勝ちな前後の気持を押しのけて、独自の逼り方で強く胸に逼ってくるのを私は覚える。それは眼を驚かせるといふよりも、直接心を驚かせるやうな色彩である。それは強烈でまた単純でありながら、何か精神的な高貴な性質を帯びた、あの艶やかな朱である。
若くして人は死にゆき花石榴 大堀 柊花
石榴の花(ざくろのはな)訶梨帝母(かりていも)張騫(ちょうけん)
逼り(せまり)王笏(おうし