俳句
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火にかけて泥鰌の地獄始まれり
臆面もなく箸つけて泥鰌鍋
薬味箱ねぎ山盛りにどぜう鍋
密会のやうでもなくて泥鰌鍋
煮詰まって尉の崩るる泥鰌鍋
青葉潮にほふ駒形橋あたり
観音の余りの風に風鈴屋
浅葱幕落とせしごとく梅雨明くる
中庭の水音絶えぬ夏座敷
峰雲や女の乳房盛り上がり
臆面もなく箸つけて泥鰌鍋
薬味箱ねぎ山盛りにどぜう鍋
密会のやうでもなくて泥鰌鍋
煮詰まって尉の崩るる泥鰌鍋
青葉潮にほふ駒形橋あたり
観音の余りの風に風鈴屋
浅葱幕落とせしごとく梅雨明くる
中庭の水音絶えぬ夏座敷
峰雲や女の乳房盛り上がり
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風鈴のならねばさびしなれば憂し 赤星水竹居
「俳諧歳時記」に、
形鐘に似て小さき金属を以って造りしものにて、内に舌を垂れ、其舌に短冊などをつけて簷などに懸け置き、風に触れて音を発せしむ。其音虫の音に似たりとて、松虫・鈴虫等の名を附せしものあり。夏日涼を入るる時、その風を受けて鳴る音を賞美するものなり。近来球状の玻璃にて造れるものあり、風趣金に及ばず。
とある。
風鈴は小さい鐘などの形をした金属製、陶器製、ガラス製の鈴。中に風受けの羽や短冊などをつけた舌が下がっており、軒先に吊るしておくと風に吹かれて快い音を発する。古く中国の書に見え、鉄馬、簷馬、風鐸、風筝などの名がある。わが国では室町時代には家具として普及していた。江戸時代以降、風鈴売りは虫売りなどと並んで夏の風物詩として親しまれた。
さて、随筆に「旧聞日本橋」(長谷川時雨)がある。
青葉がもめて、風がすっと通ってゆき、うすい埃がたつと、しんとした正午近くは、「稗蒔き」が来る。苗売りが来る、金魚やがくる、風鈴やが来る。ほおずき売りがくる。汗ばんで来たなと思うころには、カタカタと音をさせて、定斉屋がくる。甘酒売りがくる。虫売りがくるー定斉屋と甘酒やだけが真夏になればなるほど日中炎天をお練りでゆくが、その他は小かげをえらんで荷をおろす。丁度その家の隣りが堀越角次郎という、唐物問屋の荷蔵の裏になって、ずっと高い蔵つづきの日かげなので、稗蒔屋はのどかになたまめ煙管をくわえ、風鈴屋はチロリン、チロリンと微風に客を呼ばせている。
あさくさや風鈴の音も江戸前に 大堀 柊花
風鈴(ふうりん)舌(ぜつ)簷馬(えんば)風筝(ふうそう)稗蒔き(ひえまき)
唐物(とうぶつ)煙管(きせる)微風(そよかぜ)風鐸(ふうたく)
「俳諧歳時記」に、
形鐘に似て小さき金属を以って造りしものにて、内に舌を垂れ、其舌に短冊などをつけて簷などに懸け置き、風に触れて音を発せしむ。其音虫の音に似たりとて、松虫・鈴虫等の名を附せしものあり。夏日涼を入るる時、その風を受けて鳴る音を賞美するものなり。近来球状の玻璃にて造れるものあり、風趣金に及ばず。
とある。
風鈴は小さい鐘などの形をした金属製、陶器製、ガラス製の鈴。中に風受けの羽や短冊などをつけた舌が下がっており、軒先に吊るしておくと風に吹かれて快い音を発する。古く中国の書に見え、鉄馬、簷馬、風鐸、風筝などの名がある。わが国では室町時代には家具として普及していた。江戸時代以降、風鈴売りは虫売りなどと並んで夏の風物詩として親しまれた。
さて、随筆に「旧聞日本橋」(長谷川時雨)がある。
青葉がもめて、風がすっと通ってゆき、うすい埃がたつと、しんとした正午近くは、「稗蒔き」が来る。苗売りが来る、金魚やがくる、風鈴やが来る。ほおずき売りがくる。汗ばんで来たなと思うころには、カタカタと音をさせて、定斉屋がくる。甘酒売りがくる。虫売りがくるー定斉屋と甘酒やだけが真夏になればなるほど日中炎天をお練りでゆくが、その他は小かげをえらんで荷をおろす。丁度その家の隣りが堀越角次郎という、唐物問屋の荷蔵の裏になって、ずっと高い蔵つづきの日かげなので、稗蒔屋はのどかになたまめ煙管をくわえ、風鈴屋はチロリン、チロリンと微風に客を呼ばせている。
あさくさや風鈴の音も江戸前に 大堀 柊花
風鈴(ふうりん)舌(ぜつ)簷馬(えんば)風筝(ふうそう)稗蒔き(ひえまき)
唐物(とうぶつ)煙管(きせる)微風(そよかぜ)風鐸(ふうたく)
魚棲める血洗ひの池梅雨滂沱
血洗ひの池に水漬きて七変化
道場の竹刀打ち合ふ音涼し
荒梅雨に降り込められて座禅堂
学習院厩舎の藁も梅雨湿り
黒鹿毛の目鼻なきかにさみだるる
白南風や羽毛とばして籠の鳥
窓の枇杷熟れて眠たき読書室
すれ違ふをとことをんな五月闇
いくさなき世に蔓を延べ花南瓜
血洗ひの池に水漬きて七変化
道場の竹刀打ち合ふ音涼し
荒梅雨に降り込められて座禅堂
学習院厩舎の藁も梅雨湿り
黒鹿毛の目鼻なきかにさみだるる
白南風や羽毛とばして籠の鳥
窓の枇杷熟れて眠たき読書室
すれ違ふをとことをんな五月闇
いくさなき世に蔓を延べ花南瓜
蕉庵は大川沿ひに萩若葉
面影をしのぶ桂の若葉かな
葉隠れの花を蝶かと山法師
どくだみを垣となしたる草の庵
姫卯木ここだこぼれて石の上
遊船のまたくぐりゆく清洲橋
よそ者のやうに素通り花水木
藩校でありし母校よ春の蝉
極楽の風を待つかに青芭蕉
浅酌のあとの筍ご飯かな
面影をしのぶ桂の若葉かな
葉隠れの花を蝶かと山法師
どくだみを垣となしたる草の庵
姫卯木ここだこぼれて石の上
遊船のまたくぐりゆく清洲橋
よそ者のやうに素通り花水木
藩校でありし母校よ春の蝉
極楽の風を待つかに青芭蕉
浅酌のあとの筍ご飯かな
枇杷を食むぽろりぽろりと種二つ 星野立子
「俳諧歳時記」に、
枇杷の果実をいふ。枇杷の花は冬季に開き果実は翌年の夏に至りて黄色に成熟す。形円きもの倒卵形のものもありて、外面に微毛あり、内に黒褐色の核を含む。生食して味甘く佳良なり。種類に依りて遅速あれど大抵六七月市場に上がる。田中枇杷、唐枇杷、白枇杷等の種類あり。枝は木太刀、琵琶等を作るに用ひられ、葉は二三の薬品を加えて枇杷葉湯を作り、夏の疫気を避くるに用ひらる。
とある。
ビワはバラ科の常緑中高木。中国の中・南部地方に原生する。また、日本では大分、山口、福井県などで野生がみられる。「日本三代実録」(九〇一)「本草和名」(九一八)など多くの文献にその名が記載され、古くから利用されていた。花は枝の先端にでき る円錐花序に密につき、晩秋から初冬に開花する。果実は房状につき、球形または倒卵形で綿毛に覆われ、初夏に黄色に熟す。
長崎地方では天保・弘化年間(一八三〇~四八)から中国大陸中部のビワの種子を輸入、播種して、実生から大果の品種を選んでいた。大果品種の「茂木」はこうしたなかから、長崎県茂木町で選ばれたもので、果形は倒卵形、果重は五十グラム、甘く、品質優良で、九州や瀬戸内の暖地の主要品種となった。
さて、枇杷の葉は薬効があると昔からいわれている。天明(一八七一~八九)のころに京都烏丸枇杷葉湯と称して大路を売り歩いた。幕末には、街の薬店で門に釜を出して、枇杷葉湯を飲ませたり、夏の暑い日は冷やしても飲ませていた。枇杷葉湯は利尿の効果があり、止渇薬になり、風呂の湯に入れて汗疹治しになった。
漢方では清涼健胃薬といい、暑気あたりの予防といった。また、リュウマチで痛むときに、枇杷の葉のつるつる光っているほうを火であぶって、ぼうっと湯気が出るまであたためて、痛むところにあて布で巻いておく。一日に三、四回取り替えると二三日で痛みがとれる。ガンの人も痛むところに枇杷の葉を貼ると良いといわれる。
枇杷熟れて寺領の鴉鳴きにけり 大堀 柊花
枇杷(びは)本草和名(ほんぞうわみょう)播種(はしゅ)茂木(もぎ)
「俳諧歳時記」に、
枇杷の果実をいふ。枇杷の花は冬季に開き果実は翌年の夏に至りて黄色に成熟す。形円きもの倒卵形のものもありて、外面に微毛あり、内に黒褐色の核を含む。生食して味甘く佳良なり。種類に依りて遅速あれど大抵六七月市場に上がる。田中枇杷、唐枇杷、白枇杷等の種類あり。枝は木太刀、琵琶等を作るに用ひられ、葉は二三の薬品を加えて枇杷葉湯を作り、夏の疫気を避くるに用ひらる。
とある。
ビワはバラ科の常緑中高木。中国の中・南部地方に原生する。また、日本では大分、山口、福井県などで野生がみられる。「日本三代実録」(九〇一)「本草和名」(九一八)など多くの文献にその名が記載され、古くから利用されていた。花は枝の先端にでき る円錐花序に密につき、晩秋から初冬に開花する。果実は房状につき、球形または倒卵形で綿毛に覆われ、初夏に黄色に熟す。
長崎地方では天保・弘化年間(一八三〇~四八)から中国大陸中部のビワの種子を輸入、播種して、実生から大果の品種を選んでいた。大果品種の「茂木」はこうしたなかから、長崎県茂木町で選ばれたもので、果形は倒卵形、果重は五十グラム、甘く、品質優良で、九州や瀬戸内の暖地の主要品種となった。
さて、枇杷の葉は薬効があると昔からいわれている。天明(一八七一~八九)のころに京都烏丸枇杷葉湯と称して大路を売り歩いた。幕末には、街の薬店で門に釜を出して、枇杷葉湯を飲ませたり、夏の暑い日は冷やしても飲ませていた。枇杷葉湯は利尿の効果があり、止渇薬になり、風呂の湯に入れて汗疹治しになった。
漢方では清涼健胃薬といい、暑気あたりの予防といった。また、リュウマチで痛むときに、枇杷の葉のつるつる光っているほうを火であぶって、ぼうっと湯気が出るまであたためて、痛むところにあて布で巻いておく。一日に三、四回取り替えると二三日で痛みがとれる。ガンの人も痛むところに枇杷の葉を貼ると良いといわれる。
枇杷熟れて寺領の鴉鳴きにけり 大堀 柊花
枇杷(びは)本草和名(ほんぞうわみょう)播種(はしゅ)茂木(もぎ)