俳句
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初午や麻布稲荷の大鳥居
大使館までの坂道雪残る
人形の渡来のいはれ春寒し
雪残る麻布の寺にハリスの碑
くらやみ坂雪あかりしてかの子の忌
バレンタインデーのチョコ買ふ坂の街
春寒や麻布に残る雨情の詩
豆源の豆の数々春動く
早春の流れに沿へば波郷の碑
浄土寺に近き砂浜海苔を干す
大使館までの坂道雪残る
人形の渡来のいはれ春寒し
雪残る麻布の寺にハリスの碑
くらやみ坂雪あかりしてかの子の忌
バレンタインデーのチョコ買ふ坂の街
春寒や麻布に残る雨情の詩
豆源の豆の数々春動く
早春の流れに沿へば波郷の碑
浄土寺に近き砂浜海苔を干す
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海苔
花のごと流れる海苔をすくひ網 高浜虚子
「俳諧歳時記」に
海藻の一種で、多く風波静謐なる内湾の淡鹹水の混和する所に生ずる。産地として
品川湾は最も有名である。関西では和歌の浦が名高い。採取の期間は十一月中旬から
四月上旬までであるが。採取開始から二月上旬までに採れるのが良質で、二月以降は
次第にあをそがまじる。
とある。
海苔は海産・淡水産の藻類を原料とした食品。青海苔、浅草海苔、ふりかけ海苔、
海苔の佃煮、刺身のつまのオゴノリやフノリ、海藻サラダのトサカノリなどがあり、
いずれも水生の藻類である。青海苔は緑藻植物アオサ科の海藻アオサ、アオノリ、
ヒトエグサなどを乾燥させて板状にしたり、細片にして市販されている。浅草海苔は
紅藻植物ウシケノリ科のアサクサノリやスサビノリの類を養殖し、板状に乾燥させた
ものであるが、他の近縁種(アマノリ属類)が混入することも多い。
さて、「浅草海苔」の起源は、東京の浅草に由来するものである。徳川家康の江戸開
府以後今日に至るまで、浅草以南の臨海域では、たびたび大規模な埋め立てが行われ
たので、現在の地理的関係では想像しにくいが、江戸時代初期の浅草地区は漁村で、
海に近い所だったと考えられる。このため漁民たちは、海岸に生える野生のアマノリ
を採集して、浅草観音周辺に集まる人々に売っていたのであろう。浅草で売られるア
マノリは他地区産よりは良質だったであろうと推定される。そのうえ、以前から浅草
地区にあった紙漉きの手法を応用して、雑物を取り除いたアマノリを浅草海苔の名で
売り出したところ、持ち運びに便利なため江戸土産のとしても好都合で、需要が増え
た。しかし其の後、有名な「生類憐みの令」(一六八五)ために、浅草の漁業が衰退
し、また大地震で海岸域の地勢に変化が起こるなどして、地元での原料産出はなくな
り、もっぱら品川、大森周辺産の原料を使うようになったが、浅草海苔の名は歴史的
な名残として今日まで伝わっている。
拾ふよりついとかをりて流れ海苔 大堀柊花
淡鹹(たんかん)
花のごと流れる海苔をすくひ網 高浜虚子
「俳諧歳時記」に
海藻の一種で、多く風波静謐なる内湾の淡鹹水の混和する所に生ずる。産地として
品川湾は最も有名である。関西では和歌の浦が名高い。採取の期間は十一月中旬から
四月上旬までであるが。採取開始から二月上旬までに採れるのが良質で、二月以降は
次第にあをそがまじる。
とある。
海苔は海産・淡水産の藻類を原料とした食品。青海苔、浅草海苔、ふりかけ海苔、
海苔の佃煮、刺身のつまのオゴノリやフノリ、海藻サラダのトサカノリなどがあり、
いずれも水生の藻類である。青海苔は緑藻植物アオサ科の海藻アオサ、アオノリ、
ヒトエグサなどを乾燥させて板状にしたり、細片にして市販されている。浅草海苔は
紅藻植物ウシケノリ科のアサクサノリやスサビノリの類を養殖し、板状に乾燥させた
ものであるが、他の近縁種(アマノリ属類)が混入することも多い。
さて、「浅草海苔」の起源は、東京の浅草に由来するものである。徳川家康の江戸開
府以後今日に至るまで、浅草以南の臨海域では、たびたび大規模な埋め立てが行われ
たので、現在の地理的関係では想像しにくいが、江戸時代初期の浅草地区は漁村で、
海に近い所だったと考えられる。このため漁民たちは、海岸に生える野生のアマノリ
を採集して、浅草観音周辺に集まる人々に売っていたのであろう。浅草で売られるア
マノリは他地区産よりは良質だったであろうと推定される。そのうえ、以前から浅草
地区にあった紙漉きの手法を応用して、雑物を取り除いたアマノリを浅草海苔の名で
売り出したところ、持ち運びに便利なため江戸土産のとしても好都合で、需要が増え
た。しかし其の後、有名な「生類憐みの令」(一六八五)ために、浅草の漁業が衰退
し、また大地震で海岸域の地勢に変化が起こるなどして、地元での原料産出はなくな
り、もっぱら品川、大森周辺産の原料を使うようになったが、浅草海苔の名は歴史的
な名残として今日まで伝わっている。
拾ふよりついとかをりて流れ海苔 大堀柊花
淡鹹(たんかん)
瓦斯灯を覆ひて銀杏若葉かな
法科の灯あかあかとあり若葉冷
セミナーの窓を濡らして若葉雨
そそり立つ安田講堂樟若葉
若葉して千手のごとき枝の張り
山躑躅映して心字池の雨
懸り藤水鏡して心字池
三四郎池へと下りて春惜しむ
幼なさのまだどこやらに初桜
蜂ならば女王蜂に生まれたし
法科の灯あかあかとあり若葉冷
セミナーの窓を濡らして若葉雨
そそり立つ安田講堂樟若葉
若葉して千手のごとき枝の張り
山躑躅映して心字池の雨
懸り藤水鏡して心字池
三四郎池へと下りて春惜しむ
幼なさのまだどこやらに初桜
蜂ならば女王蜂に生まれたし
蜂
蜂の尻ふはふはと針をさめけり 川端茅舎
「栞草」に、
蜂数品有。蜜蜂・土蜂・大黄蜂・竹蜂・赤翅蜂・蠮螉等也。蜜は夏日蜂の脾の中に
貯へて、己が冬籠の食物とせんが為也。自然に脾を結び貯ふるを山蜜と云。熊野にては山蜜といひて上品とす。又大樹の洞中に貯ふるを木蜜と云。家に養ふを家蜜と云。
凡蜜を醸す所、諸国にあり。紀州熊野を第一とす。
とある。
また「俳諧歳時記」に、
昆虫類に属する小飛虫で、種類が極めて多い。六脚二翅で、はっきりと頭・胸・腹の三部が分かれてゐる。その腰は俗に蜂腰などの言葉がある通り、甚だしく縊れてゐる。尻に毒ある蜂があって人を刺す。蜂の剣または蜂の針といふものこれである。肢は発達して歩行に適し、前肢は食物などを持つことが出来る。普通蜂を飼ふといへば、
蜜蜂を飼ふことである。
とある。
「古事記」上「神代」に、大国主神が須佐之男命の須勢理毘売に求婚したときに、
蛇百足、蜂の部屋に入れられたが、とあるのが初めか。「万葉集」には、ジガバチが「すがる」という名でみえ、「細腰のすがる娘子の」ように、腰のくびれた、美しい
姿態の形容に用いられることも多かった。「うつほ物語」には、子宝に恵まれることを「蜂巣のごとく産み広ぐめり」と記している。「今昔物語集」には、盗人を蜂が刺し殺した話、蜂と蜘蛛とが争う話があり、「十訓抄」には、蜂が報恩して戦いの手助けをする話がある。
さて、蜜蜂の種類と特長をあげると、レンゲの花蜜からつくられる蜂蜜はもっとも日本人に好まれる香りと甘味をもつ。レンゲ蜂蜜は色が薄く、香り、味ともに淡白で
くせがない。アブラナ蜂蜜は淡黄色で白い細かい結晶が出やすいが、香りが穏やか。ニセアカシア蜂蜜は淡色で香りがよく、上質の蜂蜜とされている。ミカンおよびオレンジ蜂蜜は特有の柑橘類の香りがあり、色もやや濃い。ソバ蜂蜜は非常にくせがあり、暗い色でもあるため、日本では精製して使用することが多い。トチノキ蜂蜜は香り、風味ともよく喜ばれるが、量が少ない。クローバー蜂蜜は黄金色で風味がよい。
美しく括れてをりし蜂の腰 大堀柊花
土蜂(ゆするばち)大黄蜂(やまばち)赤翅蜂(はねあかばち)蠮螉(じがばち)脾(す)須勢理毘売(すせりひめ)柑橘(かんきつ)
蜂の尻ふはふはと針をさめけり 川端茅舎
「栞草」に、
蜂数品有。蜜蜂・土蜂・大黄蜂・竹蜂・赤翅蜂・蠮螉等也。蜜は夏日蜂の脾の中に
貯へて、己が冬籠の食物とせんが為也。自然に脾を結び貯ふるを山蜜と云。熊野にては山蜜といひて上品とす。又大樹の洞中に貯ふるを木蜜と云。家に養ふを家蜜と云。
凡蜜を醸す所、諸国にあり。紀州熊野を第一とす。
とある。
また「俳諧歳時記」に、
昆虫類に属する小飛虫で、種類が極めて多い。六脚二翅で、はっきりと頭・胸・腹の三部が分かれてゐる。その腰は俗に蜂腰などの言葉がある通り、甚だしく縊れてゐる。尻に毒ある蜂があって人を刺す。蜂の剣または蜂の針といふものこれである。肢は発達して歩行に適し、前肢は食物などを持つことが出来る。普通蜂を飼ふといへば、
蜜蜂を飼ふことである。
とある。
「古事記」上「神代」に、大国主神が須佐之男命の須勢理毘売に求婚したときに、
蛇百足、蜂の部屋に入れられたが、とあるのが初めか。「万葉集」には、ジガバチが「すがる」という名でみえ、「細腰のすがる娘子の」ように、腰のくびれた、美しい
姿態の形容に用いられることも多かった。「うつほ物語」には、子宝に恵まれることを「蜂巣のごとく産み広ぐめり」と記している。「今昔物語集」には、盗人を蜂が刺し殺した話、蜂と蜘蛛とが争う話があり、「十訓抄」には、蜂が報恩して戦いの手助けをする話がある。
さて、蜜蜂の種類と特長をあげると、レンゲの花蜜からつくられる蜂蜜はもっとも日本人に好まれる香りと甘味をもつ。レンゲ蜂蜜は色が薄く、香り、味ともに淡白で
くせがない。アブラナ蜂蜜は淡黄色で白い細かい結晶が出やすいが、香りが穏やか。ニセアカシア蜂蜜は淡色で香りがよく、上質の蜂蜜とされている。ミカンおよびオレンジ蜂蜜は特有の柑橘類の香りがあり、色もやや濃い。ソバ蜂蜜は非常にくせがあり、暗い色でもあるため、日本では精製して使用することが多い。トチノキ蜂蜜は香り、風味ともよく喜ばれるが、量が少ない。クローバー蜂蜜は黄金色で風味がよい。
美しく括れてをりし蜂の腰 大堀柊花
土蜂(ゆするばち)大黄蜂(やまばち)赤翅蜂(はねあかばち)蠮螉(じがばち)脾(す)須勢理毘売(すせりひめ)柑橘(かんきつ)
犬ふぐりこぼれ咲きして夢の島
パンジーを屏風仕立てに夢の島
紅ひもの木といふ青葉闇ぬけて
被爆せし鮪の塚へ初桜
死の灰は小瓶の中に春動く
春の灯に漁労日誌の黄ばみたり
亀鳴くやまなこ空ろに木彫面
春の滝うらよりあの世伺ひて
春の雷やましきことのありやなし
汽車止まるたびに広がるげんげん田
パンジーを屏風仕立てに夢の島
紅ひもの木といふ青葉闇ぬけて
被爆せし鮪の塚へ初桜
死の灰は小瓶の中に春動く
春の灯に漁労日誌の黄ばみたり
亀鳴くやまなこ空ろに木彫面
春の滝うらよりあの世伺ひて
春の雷やましきことのありやなし
汽車止まるたびに広がるげんげん田