俳句
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剪定のすみし藤棚日をこぼち
太鼓橋映して温みそめし池
天神の梅をぬきんでタワー立つ
わざをぎの梅に遅速のありしかな
白無垢のひときは映ゆる梅の宮
料亭の傘干してあり梅日和
賢きがゆゑ嫌はれて春寒し
花かたかご罪あるごとく俯ける
雛菊や人老いてなほ愛らしき
末黒野に焼野の雉おもひけり
太鼓橋映して温みそめし池
天神の梅をぬきんでタワー立つ
わざをぎの梅に遅速のありしかな
白無垢のひときは映ゆる梅の宮
料亭の傘干してあり梅日和
賢きがゆゑ嫌はれて春寒し
花かたかご罪あるごとく俯ける
雛菊や人老いてなほ愛らしき
末黒野に焼野の雉おもひけり
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片栗の花
片栗の一つの花の花盛り 高野 素十
「花の大歳時記」に、
山地の草原や林の半日陰となる湿った斜面に、しばしば大群落をつくって生えるユリ科の多年草。樺太、南千島、日本全土、朝鮮、中国に分布するが、四国や九州ではまれである。かっては絶滅寸前になった例が多い。花は三月より咲き始め、北の地方では五月いっぱい咲く。二枚の葉の間から一〇~二〇センチの花茎を伸ばしてコバルト、バイオレット色の花を一個つける。萼と花びらの区別のない、いわゆる花被片が六枚あり、咲くとすぐ上の方へ反転する。「万葉集」には堅香子の名で詠まれている。
とある。
かたくりは、全草をゆでて食用とするが、鱗茎から良質のデンプンをとり、かたくり粉と称したが、現在かたくり粉と称しているもののほとんどはジャガイモデンプンである。薬草として強壮剤、胃腸薬、解毒剤に用いる。
古名のカタカゴがカタコユリとなり、転訛してカタクリとなったとされる。ほかにカゴ、イノシタ、ブンダイユリ、ハツユリの名もある。
さて、随筆に「カタクリの花」(北原節子)がある。
朝の光とともに花を開き、夕べとともに苞のような姿に戻るこの花は、また曇り陽の下では阿修羅のように花弁を逆立て、怒りを含んだ表情を見せるが、明るい光の中では反り返った花弁の先をさらにくるくるとのけ反らせ、万葉に歌われた堅香子の名もそのままに、小さなカゴを傾けて咲く。じっと佇んでいると、こちらまでうす紫に染まってしまいそうな花の中で、スケッチの手を休めてぼんやりしていると、傾けた小さなカタカゴの中から、私は微かな天平の鈴の音が聞こえて来たように思った。それからふっと、私の目には、厚い花の絨毯の上に裳裾を引いた美しい天平の女の姿が浮び上った。
もののふの八十おとめ等が汲み乱う 寺井の上の堅香子の花 大伴家持
かたくりの花の盛りを俯きて 大堀 柊花
片栗(かたくり)転訛(てんか)堅香子(かたかご)八十(やそ)
乱う(まどう)
赤松も門も小ぶりに牡丹寺
清明の空をけぶらせ大欅
ぼうたんの宝珠弾けしばかりかな
鳥影の過ぎて陰りぬ白牡丹
崩れむとして崩れざり白牡丹
金の蕊涙のさまに黒牡丹
大伽藍遠目にしだれ桜かな
思ひ出はうしほのごとく糸繰草
のどけしや詩をそらんじて舟にあり
梅若にゆかりの寺の金鳳華
清明の空をけぶらせ大欅
ぼうたんの宝珠弾けしばかりかな
鳥影の過ぎて陰りぬ白牡丹
崩れむとして崩れざり白牡丹
金の蕊涙のさまに黒牡丹
大伽藍遠目にしだれ桜かな
思ひ出はうしほのごとく糸繰草
のどけしや詩をそらんじて舟にあり
梅若にゆかりの寺の金鳳華
をだまきや乾きてしろき吉野紙 水原秋櫻子
「ホトトギス新歳時記」に、
古くから鑑賞用として、庭などに栽培される。草丈は二、三十糎くらい。白色を帯びた掌状の複葉の間から伸びた花茎に青紫色または白色の美しい花を下向きにつける。花の形が糸巻きの一種の苧環に似ているのでこの名があり、また糸繰草ともいう。種類が多く、西洋苧環など八重咲きのものもある。
とある。
苧環の「苧」とはアサ(麻)の異名である。また、アサやカラムシの茎皮からとれる繊維をいい、「苧環」とは、つむいだアサの糸を、中を空洞にして丸く卷子に巻き付けたものをいう。
「いにしへのしずのをだまきいやしきも よきもさかりはありしものなり」(古今集)
また、枝や葉のない枯れ木のことをいうが、一説には、鉾杉(ほこのような形の杉)を見立てたとする。
「谷深くたつおだまきは我なれや 思ふ心の朽ちてやみぬる」(狭衣物語)
さて、舞踊に長唄「賎の小田巻」(演芸画報社同人作詞 五世杵屋勘五郎作曲 二世藤間勘右衛門振付 明治四十一初)がある。鎌倉で法楽舞を舞った静御前を舞踊にしたものである。
吉野山峰の白雪踏み分けて みねの白雪ふみわけて入りにし人ぞ恋しき 恋衣いとど露けき旅の空 身の終りさえ定めなく 東路さして行く雲の箱根をあとにこゆるぎや 早や鎌倉に着きにけり
「是は静と申す白拍子にて候」
さても此度鎌倉殿御所望にて
「妾にひとさし舞い候へとの御事にて候」
思出れば在りし世の 栄華の夢やひと時の花に戯れ月に舞う差す手引く手は変らねど かわる浮世のうきふしを忍び兼ねたる時の和歌 賎や賎しずの小田巻くり返し 昔を今になすよしもがな
をだまきや阿闍梨の臥所暗かりき 大堀 柊花
苧(ちょ)
苧環(をだまき)賎の小田巻(しずのおだまき)阿闍梨(あじゃり)卷子(へそ)
「ホトトギス新歳時記」に、
古くから鑑賞用として、庭などに栽培される。草丈は二、三十糎くらい。白色を帯びた掌状の複葉の間から伸びた花茎に青紫色または白色の美しい花を下向きにつける。花の形が糸巻きの一種の苧環に似ているのでこの名があり、また糸繰草ともいう。種類が多く、西洋苧環など八重咲きのものもある。
とある。
苧環の「苧」とはアサ(麻)の異名である。また、アサやカラムシの茎皮からとれる繊維をいい、「苧環」とは、つむいだアサの糸を、中を空洞にして丸く卷子に巻き付けたものをいう。
「いにしへのしずのをだまきいやしきも よきもさかりはありしものなり」(古今集)
また、枝や葉のない枯れ木のことをいうが、一説には、鉾杉(ほこのような形の杉)を見立てたとする。
「谷深くたつおだまきは我なれや 思ふ心の朽ちてやみぬる」(狭衣物語)
さて、舞踊に長唄「賎の小田巻」(演芸画報社同人作詞 五世杵屋勘五郎作曲 二世藤間勘右衛門振付 明治四十一初)がある。鎌倉で法楽舞を舞った静御前を舞踊にしたものである。
吉野山峰の白雪踏み分けて みねの白雪ふみわけて入りにし人ぞ恋しき 恋衣いとど露けき旅の空 身の終りさえ定めなく 東路さして行く雲の箱根をあとにこゆるぎや 早や鎌倉に着きにけり
「是は静と申す白拍子にて候」
さても此度鎌倉殿御所望にて
「妾にひとさし舞い候へとの御事にて候」
思出れば在りし世の 栄華の夢やひと時の花に戯れ月に舞う差す手引く手は変らねど かわる浮世のうきふしを忍び兼ねたる時の和歌 賎や賎しずの小田巻くり返し 昔を今になすよしもがな
をだまきや阿闍梨の臥所暗かりき 大堀 柊花
苧(ちょ)
苧環(をだまき)賎の小田巻(しずのおだまき)阿闍梨(あじゃり)卷子(へそ)
初花の枝垂れにふれて手漕舟
初花に大横川の流れかな
対岸はむかし花町花見舟
川風に大江戸桜ほころびぬ
手漕舟大きく迂回花の昼
心地よき和舟の揺れや花曇
不動さま詣でてよりの菜飯茶屋
花ミモザ心惑へば揺れやすき
虎杖の芽のくれなゐに僧の恋
治聾酒をつぐ盃に灯が映り
初花に大横川の流れかな
対岸はむかし花町花見舟
川風に大江戸桜ほころびぬ
手漕舟大きく迂回花の昼
心地よき和舟の揺れや花曇
不動さま詣でてよりの菜飯茶屋
花ミモザ心惑へば揺れやすき
虎杖の芽のくれなゐに僧の恋
治聾酒をつぐ盃に灯が映り